2015年3月31日火曜日

活版印刷のぬくもり

 以前から興味を持っていた活版印刷。このほど同印刷で名刺をつくりました。

 活版印刷は一字ずつハンコのように彫った活字を木枠に並べて印刷されます。「活字組版(くみはん)印刷」の略語です。日本には16世紀にヨーロッパと朝鮮から入ってきました。より短い時間で印刷ができるオフセット印刷が普及するなか衰退したといわれていますが、いまショップカードやポストカード、ウェディングカード、名刺などに活用されています。

 依頼した印刷屋は夫婦で営む北陸の店。他県からの注文に驚かれましたが、対応が丁寧でした。校正用の画像はネットで送られてきて、再校正にも応じてくれました。
 仕上がりは、質感のある紙に活字がギュと凹みをもって印刷され、オリジナリティを生み出しています。手で活字の上をなぞると、無機質なデジタル印刷にはない、人のぬくもりも伝わってくるようでした。改めて日本に残したい活字文化の一つと思いました。

 店に感想を伝えると、返信がありました。
 「ありがたいお言葉をいただき、とても感謝しております。活版印刷が若い方を中心に見直されてきて、私どもも、もう少し頑張ろうと思っています」 
 活版印刷の柔らかな魅力とともに、前を向く人との出会いになりました。