大空襲で両親ら家族6人を亡くしたエッセイストの海老名香葉子さんが毎年開いており、ことしで11回目。小雨の降るなか、全国から1500人が参列しました。
海老名さんはあいさつで、犠牲になった親兄弟が戸籍で「行方不詳」とされているため、自身、遺族扱いされていないことを指摘。「せめてお国に遺族と認めて欲しい」と声を詰まらせながら語るとともに、「みなさん、次の世代に戦争の苦しみを伝えるために、話して、ものを書いて、残してください」と訴えました。
台東区立根岸小学校の女子児童は、戦争孤児を題材にした海老名さんの著書『さくらいろのハンカチ』の感想を次々発表しました。
「戦争のない平和な世の中が永久に続くことを願っています」
「戦争がこわい。せっかくもらった命を戦争でなくしたくない」
「戦争、それはこの世の中でもっともしてはならないこと」
会場からは「偉い」との共感の声が飛びました。また、同校6年生95人は「平和の鐘」を力強く合唱し、大きな拍手が送られました。
海老名さんの次女で歌手の泰葉さんは、海老名さんの亡き母や家族への思いを自ら歌にした「桜舞う日は」を熱唱。長男林家正蔵、次男同三平両氏もあいさつし、三平氏の妻で女優の国分佐智子さんが司会を務めました。
集いには私も1回目から毎年参加してきました。「私個人が始めたこと」(海老名さん)が年々盛大になり、平和を願うエネルギーの力強さや、その思いが若い世代に着実に受け継がれつつあることを実感しています。