この時期、思い起こすのは、一昔前となった大学の入学試験時のことです。
初めて訪れた北の街。駅前も、宿舎とした学生寮の周囲もまだ雪で覆われていました。当時の試験は2日間。旅程は2泊3日。学生寮は戦前の建造物で、夜は部屋のなかでさえ、しばれました。
でも、受験雑誌に載った“若いのだから試験前日も遅くまで勉強しても大丈夫。最後の最後まで力を尽くせ”との体験談を2夜、忠実に実践。部屋の主である先輩が夜遅くまでストーブに石炭をくべ続けてくれたのです。
発表日、遅れて届いた学生自治会の電報は「北の地に桜咲く」でした。湧き上がる喜びとともに、先輩への感謝の気持ちが広がりました。(写真は近くの寺の庭に咲くハクモクレン)