2014年11月30日日曜日

「神様の贈り物」ししゃも

 ししゃもが届きました。
 北海道の太平洋沿岸に生息する魚です。漁期は10月~11月半ば。アイヌ語のスス=柳、ハム=葉が変化して「ししゃも」に。アイヌの人びとに「神様の贈り物」として尊ばれてきたといいます。
 焼いて頭から食べると、脂がのった柔らかな口当たりで、香りもありました。

2014年11月29日土曜日

国政は国民の厳粛な信託によるもの

  ジャガイモ1箱(3キロ)を2500円とすると、380箱分に。いったいどこに配ったのか
  小渕優子・前経済産業相の後援会などによる政治資金収支報告書問題。観劇会をめぐる支出超過は2005年以降で計6000万円超と、有権者への利益供与の疑惑を深めていますが、加えて13年にはジャガイモ代も約95万円が支出されていました。13年分の政治資金収支報告書にはネギ、せんべい、うどんの購入もありました。

  小渕氏は「説明責任を果たせたとは思っていない」と弁明しつつ、観劇会の支出超過やジャガイモ等の使途については解明しないまま、今回の総選挙に立候補しようとしています。まず有権者に対する「誠実さ」があるべきではないかと思いますが、自民党は氏を公認。これまでの総選挙で2位に約10万票の大差をつけて圧勝してきた氏ならば、説明責任を果たさなくても選挙に勝てると計算しているのでしょうか。

  小渕氏の行為は、金権政治そのものです。カネを持っているものが有権者に利益を供与し、カネを出したところに都合のいい政治をおこなう等々、その弊害は明らかです。カネの原資は企業・団体献金であり、国民の税金である政党助成金です。
 日本国憲法の前文は「国政は、国民の厳粛な信託によるもの」と記しています。小渕氏と自民党はいま一度、この理念を想起する必要があるのではないでしょうか。 (写真=まちには晩秋の風情ある情景があります)

2014年11月24日月曜日

町内の防災訓練で

  自治会主催の防災訓練に参加しました。大規模地震の発生と家屋倒壊などを想定した訓練です。
 
 私はチェーンブロック(写真)の操作を担当。3本の鉄パイプを使って組み立て、角材の巻き上げ・巻き下ろしをおこなう訓練です。家屋の下敷きにあった人を救出することなども想定しています。
 
 同組て立ては私自身、初めての作業でしたが、4人で取り組むと、それほど苦労することなくできました。2トンまで巻き上げることができます。移動も容易。大型地震のさいは重機の到着に時間がかかることなども考えると、役に立つ器具と思いました。
 
 長野北部地震では住民が助け合ったと聞きます。町内の防災訓練の重要性をかみしめる一日になりました。

特別の意味もつ総選挙

  22日夜、NHKで生中継された衆院解散後初の与野党幹部による討論を見ました。
 総選挙の争点などについて自民、公明の与党は「アベノミクス」に絞り込み、NHK側もそれに同調する運営でした。経済政策への期待が内閣支持率に結びついた流れよもう一度と、与党側は考えているのかも知れません。
 しかし、「アベノミクス」がもたらしたのは生活不安であり、景気悪化です。しかも総選挙の争点は主権在民の立場に立つならば、決めるのは国民です。私でいえば、この二年間の「安倍政治」に照らして経済も平和も民主主義も大事な争点です。

  このことを踏まえたうえで痛感するのは、今回の総選挙が特別の意味をもっていることです。それは安倍首相による解散が追い込まれたものであると同時に、長期政権を視野に入れたものであるからです。その野望の中心はいうまでもなく「戦争ができる国」づくりです。戦争か平和かの岐路に立つ総選挙といっても過言ではないでしょう。

  平和主義は日本国憲法の世界に誇る価値です。ところが安倍政権は日本が攻撃されていなくても他国の戦争に参戦する集団的自衛権の行使容認を、戦後初めて閣議で決めました。その具体例として挙げるペルシャ湾での機雷掃海については、14日放映の「報道ステーション」で米揚陸艦長から「武器の脅威にさらされる」と明らかにされています。未来ある若者らを砲弾の飛び交う戦場に送ることに、私は強く反対します。

  戦後、国民のなかに培われた平和へのエネルギーは巨大です。新しい息吹も生まれています。集団的自衛権や表現の自由を脅かす特定秘密保護法では若い世代が街頭にも出て、安倍政治と対峙しています。沖縄県知事選で米軍新基地反対の翁長雄志知事を誕生させた保革共闘は今回の総選挙でもスクラムを組み、国政レベルで平和を求める共同の一つのあり方を示しています。
  私もこうした希望の灯と連帯し、安倍政治ノーの声を上げ続けます。 (写真=若者に希望ある未来を)

2014年11月22日土曜日

きょうは小雪

  きょう22日は、24節季(せっき・季節の変わり目)の一つ、小雪(しょうせつ)。
 冬到来の感が強くなる日ですが、昼の気温は22度。稲刈りの済んだ田んぼに明るい日ざしが降り注いでいました=写真

2014年11月20日木曜日

沖縄のカステラ


  沖縄旅行のおみやげでいただいたカステラ。
さとうきびの糖蜜の風味が口いっぱいに広がりました。製造者の意気込みが伝わってくるようでした。

2014年11月19日水曜日

へたばっちゃいけない   高倉健さんを偲んで

  撮影現場では暖もとらず、準備ができるのを立ったまま静かに待ち続ける、10分近くある長いセリフの場面でもテストから一言のミスもなく、緊張感みなぎる芝居を演じる、寒さに震える子役にカイロをそっと手渡す。

  映画「鉄道員」(1999年)の撮影現場での俳優・高倉健さんの様子です。映画づくりに対するその真摯な姿勢からは、いつのまにか周囲に集中と気迫が伝播していったといいます。そして同映画では日本の社会の営みを根底で支える庶民の哀歓を、心がポッと温かくなるように演じて見せてくれました。

  映画「あなた」(2012年)の撮影時、高倉さんは東日本大震災で被災した少年の写真を台本に貼り付けて臨んでいました。同映画の監督で、高倉さんが最も信頼を寄せていた降旗康男さんは、「何があっても生きるという少年の姿からへたばっちゃいけない、まだがんばろうと感じたのでは」と推察しています。悲しみに寄り添う優しさや、前に向かう強い生き方が伝わってくるようです。
 
 こうした高倉さんについての感想はいま、その訃報に接した多くの人びとから語られています。今日の日本社会で求められる人間像や生き方が改めて浮き彫りになっているのではないでしょうか。
           (写真は「皇帝ダリア」、11月19日撮影)

ノーの民意に“上書き”された辺野古移設

  米軍普天間吉基地の名護市辺野古への移設問題が最大の焦点となった沖縄県知事選。辺野古移設に強く反対する翁長雄志氏が当選しました。胸躍る歴史的快挙ですが、安倍政権は「辺野古移設は粛々と進める」(菅義偉官房長官)と移設作業を進める姿勢です。けっして許されるものではありません。
 だいいち今回の選挙で、翁長氏は一騎打ちとなった仲井真弘多知事に約10万票の大差をつけるとともに、得票率も50%を超えて圧勝しました。
 安倍政権が全面的に応援した仲井真氏の「辺野古移設が現実的な政策」との主張は、沖縄の民意に認められなかったのです。辺野古移設は「新基地は造らせない」にそれこそ“上書き”され、菅官房長官の好きな言葉である「過去の問題」になったといっても過言ではないでしょう。
 普天間問題は日本の安全保障、及び進路に関わる重要問題です。米国が沖縄県民の土地を奪って造った基地であり、無条件で県民に返すのが当たり前です。
  いまこそ安倍政権に対して全国の草の根から、「辺野古移設は中止し、『普天間基地は無条件で返せ』と、米国と交渉せよ」の声を上げようではありませんか。

2014年11月15日土曜日

沖縄基地抑止力論 国民レベルでも打ち破るとき

  コバルトブルーの海が広がる沖縄県名護市辺野古(へのこ)。同県の米軍普天間飛行場の移設地とされます。
 安倍晋三首相からは「沖縄に基地が存在することで抑止力機能を果たす」(10月6日、衆院予算委員会)と、移設の意義が「抑止力」論で語られています。
 しかし、最近発行された「普天間移設 日米の深層」(琉球新報「日米廻り舞台」取材班、青灯社=写真)はその主張に根拠がないことを明らかにしています。

  2012年4月に日米両政府が発表した米軍再編計画の見直しによれば、沖縄の米海兵隊は現行の1万人超から約9000人がグアムなど海外に移転し、沖縄に残るのは約2000人程度といわれています。日米の安全保障問題に詳しいダニエル・スナイダー米スタンフォード大アジア太平洋研究センター副所長は、「沖縄に残る部隊に必要なヘリはせいぜい数機。新たな基地建設は必要なのか」と指摘しています。
  日米関係が専門のマイク・モチヅキ米ジョ-ジ・ワシントン大教授も、沖縄に海兵隊を置かなければ不安というのは「神話」だと指摘。尖閣問題も米国にとっては基本的に日本が対応する問題であり、仮に島が占拠され米軍が対応する事態になったその時点で海兵隊を沖縄に派遣すればいいと語っています。

  そもそも軍事力が戦争を防ぐ抑止にならないことは、これまでの歴史、及び悲惨極まりなかった沖縄戦が示しています。外交や対話、文化の交流などこそ、その力を発揮するし、またそうしなければなりません。
 辺野古新基地建設反対、普天間基地撤去の声を上げ、集会に通い続ける沖縄の人びと。明日投開票の沖縄県知事選では普天間問題を最大の争点に押し上げています。沖縄基地抑止力論を国民レベルでも打ち破るときです。

2014年11月12日水曜日

前に向かうエネルギーがわいてくる村上スピーチ

  作家の村上春樹氏のエッセイを読むと、その人物像に接する場面があります。
  プロ野球ヤクルトのファンで、東京の神宮球場に太巻き持参で出かけること、運転する車が信号で止まると、車内で歯を磨く習慣があり、歯科では歯がきれいだとほめられること、農耕民族の一員として早起きの生活を送っていること等々。
  フィクションも交えているといいますから、どこまで真実かは定かではありませんが、太巻き好きで早起きをめざす私としては描写に親近感を覚えます。

  その村上氏が11月7日、ドイツの日刊紙ウェルトの文学賞を贈られたさいにおこなったスピーチは、非常に印象深いものでした。
  9日で崩壊から25年となるベルリンの壁にちなんだ十分余のスピーチ。現実は暴力的でシニカル(冷笑的)だと述べつつ、「誰もが想像する力を持っています」「壁のない世界を語ることはできます」と言及。それは、「くじけずに、より良い、より自由な世界についての物語を語り続ける静かで息の長い努力」で可能だと指摘しています。
  つまり、現状に対して悲観主義に陥ることを戒めています。だれでも「自由な世界」を指針にして粘り強く努力を重ねるならば、国際的紛争や日常の不条理などの「壁」は突破できるという極めて前向きなスピーチです。新たなエネルギーがわいてくるようです。
  また、「壁と闘っている香港の若者にこのメッセージを送りたい」との発言は、自由や民主主義を願う若い世代への明確な連帯表明です。励まされる人は少なくないでしょう。

  こうした爽快感は、最近読んだ氏の長編「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(2013年刊、写真)でも経験しました。
  同作品には、主人公が交際する女性との会話で「義務」や「権利」の言葉を用いたさい、女性から「できれば、そういう言葉を出さないでほしい。なんだか憲法改正の議論をしているみたいだから」と諭される場面があります。平和や基本的人権に挑戦する「憲法改正」の議論に好感を抱いていないことをうかがわせる描写でした。
  同作品の英語版は8月、米紙ニューヨーク・タイムズのベストセラーランキングで首位になったといいます。
  世界で活躍する作家が語る「自由な世界」とそれに向けたたたかいの意義――引き続き注視していきたいテーマです。

2014年11月9日日曜日

<書評> 希望ある一年を鮮やかに力強く             日本の米カレンダー2015年版(著者・富山和子)に寄せて 

  完成まで1年かかります。写真の選定、現地取材、写真に添える原稿の作成、翻訳の依頼等々。26年続く作業です。
 
 この原動力について著者は「怒り」といいます。農業の衰退や国土の荒廃に対してです。問われているのは大企業本位や米国追随の政治の責任等ではないでしょうか。
  
 本カレンダー(写真)で選定される写真は、何度も見たくなる日本の自然、農村の豊かな景観です。 なかでも目が釘づけになるのは、途切れることなく受け継がれる、その地域独特の農業文化の美しさ。

 2015年版でいえば、熊本県阿蘇地域の春の伝統の野焼きや同県八代市の波打つい草の刈り取り風景です。そして緑と茶の市松模様のコントラストが浮かびあがる「サトウキビの島」=沖縄県伊江島。島の3割以上が米軍基地で占められるなか、島民は水不足とたたかい農地を耕し続けてきたという著者の一文にも接します。

  時流に屈することなく、希望ある現実を鮮やかに、力強く押し出す写真と文。これらから私たちが1年を通して受け取るのは、感動、やすらぎであり、現状打開の意義です。
 
問い合わせ先 国際カレンダー株式会社 TEL03(3252)8531、FAX03(3252)8533 
http://okome.ne.jp/


2014年11月6日木曜日

愛着が湧く図書館

  読書の秋。図書館の利用者が各地で増えているといいます。私のまちの図書館もにぎわいを見せています。

  好きな本を何冊でも借りることができます。一人何冊までなどの制限はありません。希望の本がないときはリクエストをすると、購入か他の図書館から借用の手続きをとってもらえます。

 参考図書室には一般紙の明治時代からの縮刷版がずらりと並んでいます。調査・研究用のパソコンも設置されています。自習室(研修読書室)は広く仕切られた部屋が確保され、大学や各種資格試験の受験生などが熱心に机に向かっています。

   「本は楽しいよ」のステッカーが貼られた幼児・児童向けのコーナーも充実し、「おはなしかい」が毎週開かれています。お母さんと手を携えた幼児が「なに借りようかな」と、スキップしながらやってきます。

  館内の壁には「図書館の自由に関する宣言」が掲げられています。
 図書館は基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
第1 図書館は資料収集の自由を有する
第2 図書館は資料提供の自由を有する
第3 図書館は利用者の秘密を守る
第4 図書館はすべての検閲に反対する
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

  格調の高い同宣言は、1954年に採択された日本図書館協会の綱領です。戦前、国民を特定の思想に「導く」 機関として機能した図書館の歴史への反省が盛り込まれています。それゆえ、日本国憲法の国民主権を発展させるためには知る自由の保障が不可欠との立場が貫かれているのです。
 当図書館でも、「これこれを知りたい」との申し出には司書の人がすすんで協力してくれます。「何が秘密か、それも秘密です」と、国民の知る権利を根底から脅かす特定秘密保護法の狙いとは大違いです。
 文化や教育の拠点、我がまちの図書館。自然と愛着が湧いてきます。

2014年11月4日火曜日

 眺望が抜群「くじらのせなか」

  横浜港の大さん橋にある国際客船ターミナル。
  屋上広場は「くじらのせなか」と命名され、無料で開放されています。
 なだらかに傾斜する広大なウッドデッキ。上に立ちと、横浜の海と空と街並みを360度のパノラマで見渡すことができます。
 大の字になって解放感にひたる人もいました。