2019年5月26日日曜日

木製のマグカップ


木製のマグカップ(写真)をいただきました。北海道製です。
年輪のはいった木目からは自然のぬくもりを感じます。一つの木塊からロクロを回して削り上げているため、つなぎがなく、デザインもシンプルです。
使ってみて気が付きました。軽いうえに、唇をつけても容器が熱くない。木製の優れた特徴です。
コーヒー付きの朝食がより豊かになりました。

2019年5月19日日曜日

松本清張展で思い起こしたこと


横浜に足を延ばし、作家・松本清張(19091992)の特別展(県立神奈川近代文学館)を観覧しました。「点と線」「ゼロの焦点」「砂の器」などの作品で知られる清張。それらを筆者も10代のころ、読みふけった一人ですが、会場には若い世代も含めて多くの人が詰めかけ、ファンの広さを示していました。

清張は、福岡県生まれ、高等小学校卒、給仕、印刷所の版下工などの経歴で知られます。その青年期の展示資料で注目したのは、20歳(1929年)のとき、全日本無産者芸術連盟の機関誌「戦旗」を福岡・八幡製鉄所の文学仲間から借り、小林多喜二や徳永直らの小説を読んだことを理由に、“アカ狩り”(共産党検挙)とする小倉署に検挙・留置されたことです。
同展の説明文には、「(清張の)まなざしは一貫して時代の陰で苦しみながらも懸命に生きる個人に注がれていた」との一文がありました。そうした庶民に寄り添う氏の視座にもつながる弾圧体験であったのでしょうか。

関連して想起したことは、清張が1967年に「明るい革新都政をつくる会」の呼びかけ人に加わり、1982年には平和・民主主義・革新統一をすすめる全国懇話会(全国革新懇)の代表世話人に選出されていることです。両会とも、都政の刷新、国政の革新をめざす政治的共同組織です。
全国革新懇代表世話人の就任に際しては、憲法9条の改悪と天皇元首制の復活に警鐘を鳴らすとともに、「平和、民主主義の集まりに喜んで参加させていただいた」とあいさつ。翌1983年の全国遊説では山口県宇治市で1500人の聴衆を前に、戦争は火の手が広がる前に国民が手を取り合って消す必要があると述べつつ、次のように呼びかけています。

「どうか皆さん、私たちの子どもや孫に、おじいさんががんばらなかったから、自分はこうして兵隊にとられるんだ、戦場へかり出されるんだというような恨みを持たれないように、今から一生懸命にやろうじゃありませんか」

平和や民主主義を守り、政治革新をめざす運動に身を投じた清張。それは、「昭和史発掘」や「日本の黒い霧」等の作品に示される社会悪の追及という文学上の立場の社会的な実践でもあったのでしょう。今回の清張展のタイトル「巨星」との文言の通り、その業績は今日も輝き、私たちへの心強いメッセージとなっています。

2019年5月6日月曜日

勇気ある記者


東京新聞の望月衣塑子(もちづき・いそこ)記者の講演会(4月30日、座間九条の会・相模原九条の会共催)=写真=に参加しました。官房長官会見で圧力に屈せず勇敢に切り込む同記者。その経緯や思いを、「演劇少女」だったとの姿もほうふつさせるように身振り手振りを交えて満席の会場に語り、終始引き込まれました。

沖縄・辺野古の新基地建設をめぐる望月記者の質問を、安倍政権は「事実誤認」と決めつけ、内閣記者会に排除まで申し入れています。しかし、仮に事実と違いがあるならば、根拠のある説明を丁寧に行えばことは済むというものです。
「権力を監視し、チエックするのがメディアの役割」と講演でのべた氏。沖縄県が埋め立て現場に事実確認のための立ち入り調査を求めても、防衛省がいまなお拒否し続けていることを明かし、「事実がわかることを避けたいからでは」と指摘しました。

氏は武器輸出問題を長年取材してきました。その経験も踏まえて、「戦争に手を貸すメディアであってはならない」と決意をのべ、安倍首相・自民党が狙う憲法9条への自衛隊明記は、2項の戦力不保持と交戦権否認を無力化し、戦争できる国を目指す危険があると警鐘を鳴らしました。

「孤立させてはならない」と立ち上がる現場の記者が増えていることや匿名で取材に応じる官邸官僚が生まれていること、東京新聞社が氏を支えていることなども紹介されました。                 
併せて氏は、今回の圧力問題に対して市民の抗議のメールや電話が官邸に殺到したことに触れて、「市民が声をあげることは社会を変えるうえでも大切だ」と強調しました。

メディアのあるべき立脚点や理念を堅持して実践する望月記者。迷いないその姿に力強さや勇気を感じたのは、きっと筆者だけではなかったと思います。

2019年5月2日木曜日

自分もなにかできることを


9条改憲の動きは執ようです。自民党は4月26日、憲法改定宣伝物のさらなる活用を求める文書を所属国会議員に出しました。とりわけ、“改憲上も重要”と、夏の参院選を改憲により明確に位置づける構えをみせています。

負けられません。神奈川県のえびな・九条の会は4月末、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」588筆を全国市民アクション(東京)に送りました。これまでの分も合わせると、3068筆を数えます。 
暑い日も寒い日も、海老名駅前や地域で、また友人や知人に、2017年末から粘り強く呼びかけられてきた同署名。平和で国民一人ひとりの尊厳が大切にされる日本を、との願いが込められています。

同会では最近も、「安倍首相の改憲への妄執をみていると、自分もなにかできることをしなければとの気持ちに駆られた」と述べて加入した市民が駅頭宣伝に立っています。
嵐は大木を育てる―9条改憲阻止の輪を引き続き草の根から広げます。(写真は海老名市の街並み)