2021年1月28日木曜日

木村草太さん講演会

  東京都立大学教授の木村草太さんを講師とする講演会「憲法を学問的に考える」が、7月10日(土)に神奈川県海老名市の市文化会館小ホールで開催されます。午後2時開会。主催はえびな・九条の会。

木村さんは、1980年横浜市生まれ。専門は憲法学。「報道ステーション」(テレビ朝日)でコメンテーターとして活躍。安保関連法案(2015年)には衆議院で公述人として、同法案の違憲性を指摘。選択的夫婦別姓訴訟や同性婚訴訟についても研究。趣味は将棋。著書に『憲法の創造力』(NHK出版)や『憲法という希望』(講談社新書)など。

前売り券(一般500円、学生200円)は有隣堂ららぽーと海老名店と市文化会館で発売中。写真は岩沢蘭氏撮影。

2021年1月14日木曜日

半藤一利さんを偲ぶ

  「髪が薄くなると、寒さも応えてね」。14年前の冬でした。喫茶店での取材後、商店街を歩きながら、みずからの帽子姿をユーモアも交えて語っていた姿が目に浮かびます。作家の半藤一利(はんどう・かずとし)さんが90歳の生涯を閉じました。 

東京大空襲の被災者でした。中学2年のとき、向島の自宅が全焼。自身、雨のように襲う焼夷弾のなか、葛飾寄りの中川で舟に乗り、川に飛び込んだ人を引き揚げていましたが、手を引っ張られて川の中に。

「水面が分からず、水中で右往左往していると、脱げた長靴が落ちていった。逆が水面だと分かり、水面に出て助けられました。目の前で、たくさんの人がおぼれるなど、無残に死んでいくのを見ました」 

空襲体験が平和や自由を追求し続ける生き方の礎となったことは、想像に難くありません。
  米軍占領下での東大の学生時代は、政府に批判的な学者等を学園から追放するレッド・パージ(1950年)に反対し、ピケラインの最前列に立ちました。

安倍晋三・前首相による自衛隊明記の憲法改定論についても、「とんでもないこと」と厳しく批判。「平和憲法を持つ日本人は世界に『お互いに戦争をやめよう』と言うことができます。それをグングン進めたほうが、よほど人類のためになります」と語り、戦争放棄の憲法9条を国際的に生かすことの意義を強調しました。

 

平和のためには「妥協しているとダメだ」とも取材時に語った半藤さん。気骨ある生き方には一つの規範が示されていました。

2021年1月11日月曜日

コロナ対応もアピール

  地域の九条の会はこのほど駅前で、「生かそう憲法」スタンディング行動に取り組み、9人が参加しました。

手がかじかむような寒さのもと、「コロナ対応―医療・検査の拡充を」「まもろう憲法9条」「学術会議任命拒否に抗議します」などのポスターを30分間掲げて、サイレントでアピール。 

平和の手作りメッセージカードを受け取った高校生二人は、じっと目を通して、「憲法9条は習いましたよ。がんばってください」と激励の言葉を寄せました。

60代の男性は、改憲発議反対の署名に応じるとともに、菅義偉首相にふれて、「スガから濁点をとると、スカ。本当の政治家ではない」と厳しく批判。会の会報読者になりました。
 

また、会員から多額の募金も寄せられ、封書に「いつもありがとうございます」と記されていました。

2021年1月8日金曜日

福祉理事長のメール

  

  ある福祉施設の理事長は、新型コロナウイルス対応のメールを毎日、職員等に発信しています。市内の感染状況を逐次知らせつつ、必要な警戒を怠らないよう繰り返し訴える。その文面からは感染防止の先頭に立つ責任者としての強い自覚が伝わってきます。 

感染者数が最多を更新し続ける昨年末のこと。職員は着信音とともに、のぞいたメールに、「おっ」と思いました。

「ヘボ政権は頼りにならず、私たちは自衛を徹底するしかありません。いっそうの協力をお願いします」 

それまでの理事長メールに、公然と政権を批判するような文面はありませんでした。感染状況が悪化の一途をたどるなか、後手に回る菅政権の対応に、業を煮やしている姿が目に浮かぶようでした。 

いま、こうした政権にたいする厳しい見方はコロナ対策の多くの最前線で生まれています。国民には行動変容を呼びかけながら、自らは多人数でステーキ会食をする、専門家からも運用見直しを提言されているのに「Gooトラベル」の「アクセル」は踏み続ける等々、相反するような言動を繰り返しているのですから。

これらの真摯な反省と根本的な転換がないかぎり、今回の「ヘボ政権」等の指弾は津々浦々に、かつ急速に広がることでしょう。

2021年1月1日金曜日

鐘の余韻

  2021年、新しい年が始まりました。

新型コロナウイルスの昨日12月31日の国内感染者4520人は、一日あたりの数としては過去最多を更新したといいます。

地域のお寺で長く続く「除夜の鐘をつく集い」も中止となりました。鐘をつくことはできるとのことで、けさ出向くと、境内に人の姿はありませんでした。「ゴーン」。一人でつくと、鐘の余韻が静寂のなか、いつもより長く続いたのが印象的でした(写真)。 

コロナ問題に、今日の強権政治はあまりにも無為無策ではないでしょうか。国民の命や暮らしを守ることができないばかりか、伝統的な風習さえ壊しています。

日本国憲法を守り、平和や豊かな暮らしを草の根から築く九条の会運動は、いよいよ大事だと痛感せざるをえません。当地の会は昨年、中村哲さんの上映会の成功、会員・会報読者の増加等の成果がありました。

ことしは憲法学者・木村草太さんの講演会(6月20日)の成功に力を入れたいと思います。