2016年12月31日土曜日

勝利も被災地支援も

  サッカーJ1鹿島アントラーズの主将小笠原満男選手(37)。20代の選手が多いプロ・サッカー界にあっては大ベテランです。最近は試合の後半、交代を告げられることも少なくありません。

 「安定感はほめ称えられるべき」
  そのさいもベンチから、ときには立ち上がってピッチ上の同僚を激励します。この一カ月間、チームはJリーグのチャンピオンシップ、クラブW杯、天皇杯と、大試合を8回たたかう超ハードスケジュール。それらに出場し、精神的主柱となっているのです。
   天皇杯準決勝( 29日)をテレビで解説した山本昌邦氏は、「試合に出続けている安定感はほめ称えられるべきだ」と述べて同選手を高く評価しました。

社会的連帯担う人の強さ
  小笠原選手の安定感、健闘の背景にあるのは――。
  クラブ杯決勝で欧州王者レアル・マドリード(スペイン)との対決を前に、こう語っていたことは印象的でした。
   「相手が素晴らしいチームなのは間違いない。それでも僕たちは勝ちに行く」
   レアルとは年間収入で17倍の差がある鹿島。そうであってもチーム一丸で勝利を最後までめざす不屈の姿勢を堅持。それは粘り強い守備となり、得点の好機を生みました。
  併せて、東日本大震災の被災地を支援し続ける小笠原選手。現地にサッカーグランドをつくり、被災した少年をサッカー観戦に招待しています。熊本大地震の直後も被災者支援に同僚と駆けつけました。
  きっと、この間のがんばりにも、「被災地に勇気を届けたい」との気持ちが働いていることでしょう。自身はこれまでも、「元気をもらっているのはぼくら」と語っています。社会的連帯を担う人の強さ、気高さを垣間見るようです。
 明日は天皇杯の元日決勝。被災地からも「小笠原選手がんばれ」の声援が飛ぶことでしょう。(写真は雑誌『Number』より)


2016年12月29日木曜日

稲作文化に触れるしめ縄作り

  ことしもしめ縄作りに挑戦しました。
  いま市販されるしめ縄のわらは外国産も少なくありません。参加した講座では、しめ縄作りを継承する農家のみなさんが、自分の田の今年の稲わらから、しめ縄に適するわらを提供。乾燥したわらの柔らかな香りがふっと漂ってきます。
 
 しめ縄の上部は太目の縄の輪。その縄の中に、三つ編みにした中細の縄を3本、縦に通します。これらを結わくのは、やはり縄。この細い縄をわらから両手でよるのが難しく、講師の手を借りました。
 
 しめ縄は2時間ほどかけて完成。そのご装飾品を付けて正月飾りが出来上がりました(写真)。
 稲作文化に触れる貴重な体験でした。

2016年12月23日金曜日

なだらかな校庭

  昨夜は雨戸が雨と風でガタガタと鳴る台風並みの悪天候でした。
  今朝は一転して晴天に。冬休みに入った小学校の校庭(写真)は、見渡す限り、少しの凹凸もありません。なだらかで、歩くと、しっとりした土の感触も。自然の威力を感じる朝でした。

2016年12月19日月曜日

おいしさ醸し出す日本酒文化

   「新酒・蔵出し原酒・うすにごり」とのラベルが貼られた日本酒。舌の上を転がるようなとろっとした、ふくらみのある味わいです。のどを通るときは穀物の旨味やフルーティさも。
  お米や水、麹が良質で、おいしさを醸し出す醸造技術も高い。日常生活を潤す日本酒文化に乾杯です。

2016年12月11日日曜日

海外での武器使用は平和の仕事か

応募が半減
  街角の掲示板に自衛官募集のチラシが貼られていました(写真)。「平和を仕事にする」「災害派遣等で人の為に」との訴えが添えられています。
  自衛隊の現場部隊の中核を担う一般曹候補生の昨年度の応募者数は2万5092人。東日本大震災時の自衛隊への注目から応募が最多になった2011年度のほぼ半分です。「苦戦」をかわそうというのか、チラシは宿舎費や食事が無料でお金が貯まるとか、週休二日制でプライベートも充実といった“メリット”を押し出すなど、必死です。

「手足を失うことがないよう」
  自衛隊をめぐる現実はといえば、安倍政権は安保法制=戦争法を強行。内戦状態の南スーダンに武器使用を認めた自衛隊を派遣しました。
  ある部隊の壮行会では若い隊員が「手足を失うことがないよう、無事に帰ってきます」と挨拶。戦闘では防弾ベストで守れない手や足が狙われるからです。子どもの頃見た、松葉づえをつきながら救済を訴える傷痍軍人の義足姿を想起せざるを得ません。
  今回、南スーダンで死亡した場合の功労金が6000万円から9000万円に引き上げられたことにも、その危険性が示されています。

南スーダンから撤退し、非軍事の支援を
  海外の紛争地域での武器使用と、平和や人助けを看板に掲げる自衛官募集の業務。大きなかい離があります。他でもなく武器使用は憲法9条の禁止する武力の行使にあたります。戦争法・安倍政治が続く限り、その矛盾の深化は必至ですが、当面、殺す・殺される事態をつくらせないため、自衛隊を撤退させ、非軍事の支援を強めるためのたたかいは最重要課題の一つです。

2016年12月9日金曜日

芳しい香り

  近所の道端で売られていた柿を購入すると、農家の主から「サービスで持って行って」と、カリンを二個いただきました(写真)。
 果実酒やジャムに加工されるカリン。うれしい心遣いに感激しつつ部屋に置くと、芳(かぐわ)しい香りで満たされています。

2016年11月30日水曜日

真紅に色づくもみじ=11月30日朝

2016年11月27日日曜日

培われた平和への願い

  新基地建設を許さない「オール沖縄」を築き、県知事選挙や国政選挙などで連続的に勝利する沖縄の人びと。安倍晋三政権が沖縄で強行するオスプレイ着陸帯(高江)や新基地(辺野古)の建設に、勇敢にあらがっています。そのさなか、地域で「沖縄戦と平和を考える集い」が開かれました(写真)。

 講師の宮里政充さんは沖縄出身で元高校教諭。6歳のとき、沖縄戦にさらされます。米軍機グラマンの襲撃におびえ、上陸した米軍を前に逃げ込んだガマ(洞窟)には無数のゲジゲジがいました。祖母は銃撃をうけて死亡。米軍の収容所ではマラリアで亡くなる人が相次ぎました。

  沖縄には、薩摩藩の侵攻(1609年)や明治国家に組み込まれた琉球処分(1879年)、沖縄戦後も続いた米軍の全面占領など、軍事や圧政に翻弄される歴史があります。振り返った宮里さんは、「軍隊は私たちの生命や財産を守らない。軍隊が平和をもたらすというなら、歴史的に証明してほしい」と訴え、「『基地が抑止力』ならば、山口県(首相の選挙区)に引き取ってほしい」と述べて目に涙を浮かべました。

  培われた平和への願いやくじけることのない強い精神。参加した80人は熱い連帯の拍手を送りました。

2016年11月25日金曜日

11月の雪

  昨日(24日)は関東の11月としては54年ぶりの降雪に。

 街路樹は黄葉前に雪景色

  当地の子どもらにとっては非日常の光景です。小学校でも放課後、6年の男の子が友だちに、「きょう、雪で遊ぼうよ」と声をかけていました。
  一夜明けたきょうは朝から晴天。住宅街には雪が残っていました(写真)。

2016年11月21日月曜日

かぼちゃスープの味


  食べごろは秋から冬といわれるかぼちゃ。北海道の姉から送られてきました。
  切ると硬く、実がぎゅっと詰まっています。スープにするため、ゆでて、すりこ木でつぶすと、ところどころ実が残りました。
  小さなかぼちゃのつぶつぶが、とろーりとしたスープの味わいを深めているように思いました。

2016年11月10日木曜日

サッカー少年とのランニング

  朝、近所の中学2年の少年がランニングをしていました。サッカーのクラブに入っているとのこと。身長が175㌢位あります。
 「ポジションはどこ」
 「ディフェンダー」
 「守備の選手だね。いっしょに走ってもいい」
 「いいっすよ」
 コースの長さは300㍍位でしょうか。
 最初から飛ばす少年。ついていくのが大変です。
 手にストップウォッチを持ち、計測しながら走る少年。余裕があります。ゴール直前には一気に加速しました。
 ハァハァ、せわしなく息を吐く当方。
 少年は何事もなかったかのように、続いて走り出しました。

2016年11月9日水曜日

「よいとまけ」と馬車

  父親から菓子「よいとまけ」が送られてきました。故郷の北海道を代表する菓子の一つです。

  故郷には製紙工場があります。1910年(明治43年)に工場が建設されると、街には朝から暗くなるまで、紙の原料となる丸太を上げ下ろす際の「よいとぉまいたぁ、よいとぉまいたぁ」という労働者の勇ましいかけ声が響いていました。筆者の祖父も製紙工場の労働者でした。
 
  戦後の1953年、地元の菓子屋は、丸太の形をしたロールカステラに、近郊の勇払原野に自生するハスカップのジャムを配した菓子を創作。商品名に、耳にしていた「よいとまけ」を採用したといいます。
  誕生から60年余。近年はテレビのバラエティ番組で「日本一食べづらいお菓子」と紹介されましたが、ハスカップの野性的な酸味にひきつけられます。

 「よいとまけ」を食べると、思い出す故郷の光景があります。往来をカッポカッポと歩く馬車。荷台には丸太の小片であるチップが積まれています。子どもらは御者に隠れるようにして荷台の後ろに乗り、運ばれるのを楽しみました。

2016年11月2日水曜日

明日への英気養うカレンダー

  ことしも「日本の米カレンダー」の2017年版が届きました。
 どんな風景や景観がと、はやる気持ちを抑えつつ一枚一枚めくります。
 「備長炭と梅林」(和歌山県みなべ・田辺地域)、「観音寺川の櫻並木」(福島県猪苗代町)、稲干し(新潟県長岡市)……。
  日本はすばらしい景観が広がり、米づくりなどに営々といそしむ人びとの姿があることを再認識させられます。

  折しも国会では環太平洋連携協定(TPP)の承認案・関連法案が重大局面を迎えています。農業はじめ食の安全、医療、雇用など、さまざまな分野で国民の暮らしを根底から脅かす法案です。
   今回のカレンダーには羊蹄山(北海道倶知安町)のふもとで黄緑色に広がる水田が紹介されています(写真)。
  北海道の米は長い間、「内地米」に比べて味が劣るといわれてきました。筆者も北海道での学生時代、本州出身の友人から「内地米」で握ったおにぎりをもらい、「米ってこんなにおいしいのか」と驚いたことがあります。
 その北海道産米が、「米カレンダー」の編者・富山和子さんも指摘する通り、様々な苦難を乗り越えて、近年はおいしい米の代表に名を連ねています。TPPが承認・発動されるならば、重大な影響を受けることは必至です。到底許されるものではありません。

  農業や自然環境の危機に警告を発しつつ、庶民の地をはう努力に光をあてる富山さん。その熱意が結実するカレンダーに、明日への英気が養われます。

 〈「 米カレンダー」の問い合わせ先 国際カレンダー株式会社 電話03-5829-4100、FAX03-5829-4103〉

2016年10月31日月曜日

地域で算数カフェ

 自治会主催の「コミセン講座」で、算数カフェを友人と担当しました。  
 対象は、参加者の範囲を広げたいとの自治会の意向で、子どもから大人まで。固いイメージのある算数で、また初企画に、どれだけの人が集まるのかと不安でしたが、「形と数であそぼう」と題して算数を楽しむことを目的にしました。
 
 小学校の教科書も参考にしつつ、次のプログラムを考えました。
 ①正方形を7つに切り取り、それらの図形を使って長方形や動物などの形をつくる(タングラム)――面積(等積変形=とうせきへんけい)の勉強
 ②右手で2拍子、左手で3拍子を同時にふる体操で、両腕が上で最初にあうのは何拍目かを問う――公倍数の勉強      
 ③びっくりサイコロ(正20面体)を展開図からつくる――立体の勉強   
 ④びっくりサイコロを使って、ビンゴゲームを楽しむ――かけ算の勉強
  
 30人が参加し、小学生の子ども8人が含まれていました(写真)。カフェということでお茶やジュース、お菓子を自治会が用意。会場はなごやかな雰囲気に包まれました。
 図形の組み合わせではそれぞれが思考錯誤するなか、年長組の幼児が最初に完成。2拍子・3拍子体操ではスマートにこなす年配者の姿も。
 参加者全員が「見るのも初めて」という20面体づくりでは、親子で教え合う光景も見られました。ビンゴゲームでは「リーチ」「ビンゴ」と歓声が上がりました。

  参加者からは、「大人と子どもがいっしょになって頭と手と身体を使い、楽しく勉強できた」「おもしろかった」「また参加したい」「国語カフェも開いてほしい」などの感想が寄せられました。終わってホッとしたというのが実感です。

2016年10月23日日曜日

青空の霜降

 きょうは季節を表す二十四節気(にじゅうしせっき)の一つ、霜降(そうこう)。北国では霜が降り、朝には草木が白く化粧する頃といいます。    
 当地の朝(写真)は少し風と雲がありましたが、昼には青空が広がり、過ごしやすい陽気になりました。

2016年10月21日金曜日

戦場行きは「宣誓」済みだからOK?

一週間で60人が死亡 南スーダン
  安倍政権はいま安保法制にもとづいて、南スーダンに派遣される自衛隊に「駆け付け警護」の任務を付与しようとしています。
  南スーダンでは最近も一週間で60人が死亡したと伝えられています。内戦状態で、「停戦合意」というPKOの原則は崩壊状態にあります。ここでの駆け付け警護は、「殺し、殺される」事態に突入しかねないものです。
  なぜ若い命をここまで危険にさらすのか。安倍晋三首相は国会で、「自衛隊の諸君は身を持って任務遂行する宣誓をしている」と答弁しています。殺し殺される事態を当然視する考えが根底にあるといっても過言ではないでしょう。

自衛隊員にも「個人の尊重」が保障されている
  安倍首相の考えは日本国憲法に照らして重大です。憲法13条は、生命や幸福追求に対する国民の権利について、国政の上で最大の尊重を必要とすると明記しています。国家権力から国民の幸福追求権を守るという立憲主義が、「国益」を最優先した戦前の全体主義への反省も踏まえてうたわれているのです。同条文が憲法のなかで最も大切な条文だと指摘する憲法学者も大勢います。「個人の尊重」は自衛隊員にも保障されています。

  関連して、アメリカの軍隊は志願制です。経済的困窮などを背景に軍に志願した若者が、イラクやアフガニスタンに派遣されている。不幸にも命を落とす、あるいは帰国しても精神障害で心に深い傷を負っている若者は少なくありません。このことについて、アメリカでは「志願したのだから仕方がない」といって済まされているかといえば、 「紛争やテロは武力では解決しない」との見識ある世論が生まれています。

若者を戦場に送ってはならない
 未来ある若者を戦場に送ってはなりません。安保法制の発動、とりわけ南スーダンでの駆け付け警護に反対する世論を広げに広げたいと思います。(写真=駅頭宣伝で、安保法制・「駆け付け警護」反対を訴える参加者=10月19日)

2016年10月15日土曜日

指定管理の綾瀬図書館を訪ねて              「図書館は使う側のもの」

  受付カウンターの壁に掲示された、国民の知る権利の尊重などをうたう「図書館の自由に関する宣言」(日本図書館協会綱領)。大手書店の有隣堂(本店・横浜市)が指定管理者を務める神奈川県綾瀬市立図書館の光景です。設置者・自治体、運営管理・民間企業という公共図書館に、新しい取り組みが生まれています。

利用者フォーラムを開催
  綾瀬市立図書館では、利用者が借りる本の冊数に制限がありません。一度に何冊でも借りられ、絵本などを沢山借りる市民から好評を得ています。
  市の直営時から開設される郷土資料室には、地域の歴史や文化を伝える資料、綾瀬市関係の新聞記事のファイルなどが並びます。館内には寄贈されたすべての政党の新聞が置かれ、市民サークルの行事等を紹介する掲示板もあります。
  また、学校関係者などで構成する図書館協議会が設置されているほか、図書館利用者フーラムも開催。それぞれの愛読書の紹介に続き、「図書館に望む」と題した意見交換が行われています。
 こうした図書館運営には、「図書館は市民の財産を預かっているので、使う側のものです」(館長代行の藤巻美由紀氏=有隣堂社員)と、市民本位の理念が反映されています。

児童や若い世代の利用に創意工夫
  綾瀬市立図書館で特筆されるのは、児童・生徒や若い世代に利用を促す取り組みが意欲的に行われていることです。
  市内の全小学校には配本事業を実施。各クラスに2カ月おきに40冊ずつ本が届きます。国語の教科書に出てくる文学作品はすべてそろえられ、児童・生徒の読書感想画も各校一週間ずつ館内に展示されます。
  広報活動も積極的です。職員が作成したリーフレット「調べ学習ガイド」は、百科事典や専門書を見ることの大切さや使用方法をアニメ入りで紹介。18歳選挙権を得た世代に向けたリーフ「はじめましてセンキョとセージです」には、参考図書(谷口真由美著『日本国憲法(大阪おばちゃん語訳)』など)が書評付きで掲載されています。

図書館本来の目的に目配り
  同図書館では、本の収集、整理、保存という図書館本来の目的の遂行にも目配りが及んでいます。
  選書作業は、「前年度末の蔵書構成比から1%以内の増減」(市と有隣堂間の協定書)との基準に基づいて実施。2015年度の児童書ならば、14年度の蔵書構成比34.3%を軸に、33.3%から35.3%の範囲で購入されます。選書が特定の分野に偏る余地は皆無といえます。
  書架の整理は、毎朝3、40分、職員全員で行われています。「毎日、本を触っていると、どのジャンルに人気があるかないかがわかって、書庫の本との入れ替えもうまくいきます」(藤巻氏)
  また、同館の飲食ルールは、水分補給のみ本のない場所でOK、と厳格です。本の保存を大事にする立場が貫かれています。
  市民のための図書館づくりが進む綾瀬市立図書館。時代の要請に向き合う図書館といえるのではないでしょうか。
  (写真上=綾瀬市立図書館の児童コーナー、同下=同図書館発行のリーフレット等)

2016年10月9日日曜日

2016年10月2日日曜日

新米が楽しみ


  きょう2日は、久しぶりに明るい朝を迎えました。外に出ると、少し厚い雲の切れ目から太陽が顔をのぞかせていました。
  田んぼの稲穂には実がぎっしり。稲刈りも始まっています(写真)。
 最近は地域の農家からお米を買っています。ことしの新米の出来具合はどうか。いまから楽しみです。

2016年9月30日金曜日

50筆と25筆

自由通路に自由を
 東京の知人から送られてきた封筒を開けると、50筆の署名が入っていました。杉並、足立、葛飾、大田と、東京各区の住所と名前が続き、埼玉の方の署名もあります。
 神奈川県海老名駅前の自由通路で、「マネキンフラッシュモブ」と呼ばれる宣伝活動に参加した市議に、同市が禁止命令を出した問題。表現の自由を規制し、憲法に違反するとして、命令の取り消しを求める裁判が行われるとともに、それを支援する署名運動が広がっています
 
ものが言いにくい空気
 送られてきた署名は、知人が「底力を示そう」との思いで職場で集め、家族らも地域等で呼びかけました。応じた人びとからは、「市民の自由を縛る動きは怖い」などの声が寄せられたといいます。
 その感覚や思いは、いま多くの人が共有するのではないでしょうか。
 自由にものが言いにくい空気が世の中をおおい、自民党は表現活動の自由に制約を課す改憲案を公表しています。その最中、駅前で「アベ政治を許さない」のプラカードを静止して掲げた、通行の妨害に当たらない活動さえ禁止されたのです。

人権のなかでも重要
 表現の自由は、最高裁でも「基本的人権のうちでもとりわけ重要」と位置づけられています。人間が主権者として生きるうえでの大事な権利です。旧憲法下では自由な口が封じられたことで、平和な社会を政府に求めることさえできなくなりました。
 歴史の教訓に照らしても、表現の自由を先細りさせるような動きはけっして軽視できず、ただされる必要があります。

湧いた勇気 
 同夜、「海老名自由通路を考える会」の役員から、東京・世田谷の方からも25筆の署名が寄せられたとの知らせがありました。勇気が湧いたといいます。表現の自由を守る市民の旗は、しっかりはためいています。

2016年9月20日火曜日

“迷惑千万”な「駆け付け警護」

  19日夕、安保法制=戦争法の廃止を訴える駅頭宣伝に参加した。
  台風の影響で雨が降っていた。でも、強行成立から一年という節目の日。安倍政権は安保法制にもとづく「駆けつけ警護」の訓練を開始し、日本の進路は緊迫した段階に入っている。18人が集まった。

  「駆け付け警護」をめぐっては、警護の対象とされるNGO(非政府組織)の関係者から「我々も武装した勢力と混同されるので、警護の対象とすることは絶対やめてもらいたい」との声があがっている。
  実際、自衛隊が派遣されている南スーダンでは、7月にも自衛隊の駐留地のすぐ隣で2日間銃撃戦が続いた。停戦合意というPKOの原則は崩壊している。
  “迷惑千万”といわれているのに、自衛隊の未来ある若者が撃ち殺される。あってはならない悲劇だ。
 
  道行く人びとに、「安保法制の発動にストップをかけましょう」「憲法9条を守りましょう」と声をかけ続けた。通り過ぎた中学生らしいグループのなかから一人の男子生徒が戻ってきて、署名に応じた。何年生との問いに、「中3です」とはっきり答えた。

2016年9月18日日曜日

保育園を見学しました

  広い園庭には大小二つの滑り台がありました。給食調理室は一面がガラス張りで、昼食づくりに励む調理員さんの姿が見えます。書籍コーナーには沢山の児童書が並び、保護者にも貸し出されています。
 待機児童問題などのニュースが相次ぐ保育園を見学する機会がありました。一見は百聞にしかずで、知事認可保育園の行き届いた保育環境に接する機会になりました。
 
  とりわけ印象的だったのは、園の広いホールで開かれた年長の幼児と見学者との交流の場面です。幼児らは、見学者と遊んだことにふれて、「すごく楽しかった」「おもしろかった」と次々に手を挙げて感想を紹介。ピアノの伴奏に合わせて園歌を大きな声で歌い、見学者に手製のしおりを進呈しました。
 それらは、いっしょに入園する、まだ話すこともできないゼロ歳児や一歳児らの成長した姿を想像できるような場面でもあり、保育園の貴重な役割を改めて学びました。
 
  認可保育園に入れない待機児童問題の対策は依然として追いついていません。厚生労働省が2日に公表した数は2万3553人で、2年連続の増加です。
 90人規模の認可保育園の増設にかかる国費は、1カ所当たり1億2000万円。安倍政権は今年度、高額兵器の垂直離着陸機オスプレイを4機購入しますが、1機分(112億円)で、100の保育園、9000人の待機児が解消される計算になります。
  子どもの成長をもっと大切にする政治や、働く女性をしっかり応援する政治の実現をと、願わずにいられません。

2016年9月15日木曜日

月見を楽しみたかったのですが


  きょうは十五夜。自然の美を愛でたいと思いましたが、残念ながら月は雲にほとんど見え隠れしていました(写真=20時35分)。
 
  明日も天気は恵まれないようですが、勤める小学校の6年生は日光への修学旅行です。朝6時に学校集合です。
 6年生の男子は「東照宮を見るのが楽しみ」とニコニコ顔でした。

2016年9月11日日曜日

みずみずしさは秋の清涼感

  ことしも地域の農園での梨刈り(自治会主催)に参加しました。昨年よりも多くの人が参加し、「ドーン」との花火の合図で梨園に入場。
  「実は引っ張らないで、下から上にひねると、すぐ採れます」(農家)。葉の下には赤味がかった梨がたわわに実っています。採ると、ずっしり重く感じます。
 帰宅後、冷やして食べると、甘くみずみずしい果汁が口に広がり、秋の清涼感にも通じる味でした。

2016年9月6日火曜日

故郷のとうもろこし

  とうもろこしが故郷の北海道から送られてきました。収穫したてで、実がびっしり。早速、ゆでました(写真)。

  とうもろこしには思い出があります。子どものころ、農家の叔母が沢山のとうもろこしを唐草模様のふろしきに包み、背負って届けてくれたことです。その光景は今でも目に浮かびます。

  北海道のとうもろこしは明治時代に栽培が始まりました。寒暖の差が大きいので甘味が増すといわれています。
 今回も口に運ぶと、たいへん甘く、ぷちぷちした食感で感激しました。

2016年8月28日日曜日

気持ちのよい一日のスタート

   地域のラジオ体操(写真)に参加しました。自治会による9日間の限定開催。会場の公園には毎回30数人が集まりました。
   小学生の子どもが中心でしたが、大人とも、「おはようございます」から始まり、終わると、「お疲れさまでした」の挨拶を交わしました。
 気持ちのよい一日のスタートになりました。

2016年8月26日金曜日

「シールズ」の種は飛び、広がってまた芽を出す

励まされる賢明な勇気
  学生団体「シールズ」の発言や活動から考えさせられたことは少なくありません。その一つは、民主主義のあり方、とりわけ日常から主権者として生きることについてです。
  メンバーの一人、奥田愛基さんは、政治参加にふれて、選挙の投票時だけならば、何年かに一度のたった数秒の投票で終わってしまうと述べつつ、「日ごろから主権者としてこの国の政治や社会の問題を考え、行動しなくては。社会は一気に変わらないのだから」(「東京」2015年8月22日付)と指摘しています。
  確かに、市民が人間らしく毎日を生きようとすると、悪政が押し付けられ、貧困や格差が広がる現在にあっては、政治や社会にそれこそ頻繁に意思を示すことは非常に重要です。市民運動は日常から必要であり、集会やデモ、署名、学習会などは不可欠といえます。筆者も「市民運動にがんばらなければ」と背中を押される思いがしました。
  同時に、集会やデモが「民主主義にとっての大事な権利」として市民にいつでも保障されているかというと、必ずしもそのようなことはありません。
  沖縄県東村高江では米軍ヘリパッド(着陸帯)建設工事反対の運動に警察の弾圧行為が相次ぎ、神奈川県海老名市では静止してプラカードを掲げる「マネキン・フラッシュ・モブ」にさえ条例違反の命令書が市から下されています。さらに安倍政権は、市民団体や労働組合も相談の集まりをもっただけで処罰対象になりかねない共謀罪の法案を9月召集の国会に提出しようとしています。
  シールズは、中傷等が吹き荒れても集会やデモで、安保法制=戦争法の問題点やおかしいと思ったら声を上げる意義について、決まり文句ではない自分の言葉で語り続けました(写真=国会前デモ、2015年9月18日)。主権者としての賢明な勇気の発揮です。民主主義を守る諸運動にその健闘を十分に生かさなければと思います。

大きな希望が生まれている
   二つ目は、シールズも原動力となり、野党共闘が実現したことです。
  今回の野党共闘の中心課題は戦争法の廃止でした。  攻撃を受けていない日本が他国を武力で守る集団的自衛権の行使は、憲法9条で禁止する武力行使そのものです。歴代政権は同行使を憲法違反としてきましたが、安倍政権はそれを可能とする戦争法案の採決を強行。「独裁的に国会運営をして、実質的に憲法停止状態をつくってしま」(憲法学者の樋口陽一氏、『「憲法改正」の真実』)いました。
  国民の運命を左右するような状況下、参院選の32の一人区すべてで成立した野党共闘は、戦後史上はじめての選挙協力であり、政権に異議を唱える民意や憲法回復の受け皿をめざす取り組みになりました。
  結果は、改憲勢力が伸長したとはいえ、野党共闘は貴重な成果を挙げました。統一候補は11選挙区で激戦を制して勝利したのをはじめ、28選挙区では野党4党の比例代表の合計得票より統一候補の得票が上回るという「足し算」以上の成果を創出。投票率の上昇幅が前回と比べて大きかった選挙区の上位を一人区が占めるという民主主義の前進もありました。
  さらに今回の参院選で見落せないのは、シールズが複数の定数をもつ選挙区でも、野党共闘に参加する政党とその候補者を応援したことです。野党共闘の前進を展望した、「党派選挙」への協力という新しい選挙戦でもありました。
  今後、衆院選などでも野党共闘をより進展させ、安倍・自公政権と違う国民本位の政策や政権の選択肢を示すならば、「代わるものがいない」という現況を乗り越えて有権者の関心を高め、新しい政治をつくり出す極めて重要な機会となります。大きな希望が生まれています。

きっとどこかで
  シールズは15日に解散しましたが、まいた種は飛び、広がってまた芽を出すことでしょう。そして、「終わったというなら、また始めましょう」というのが彼らの立場です。きっとどこかでまた会えると思うと、胸がふくらんでくるようです。

2016年8月22日月曜日

子ども夏祭り 広がった笑顔

  昨年に続き、地域の自治会主催による「子ども夏祭り」に要員で参加しました。
  用意された食べものは、綿あめ、ポップコーン、かき氷、焼きそば、フランクフルト、豚汁。ヨーヨーや輪投げコーナーも。料金は自治会費で賄われ、すべて無料です。

  一人の男の子は開始1時間半前から会場の公園にやってきました。小学3年生といいます。テント建てなどの準備中も待機。開始後、会場内で姿を見かけると、笑顔で焼きそばを食べていました。
 ヨーヨーつり(写真)にやってきた小学生の女の子は、担当者から「コツは水面近くのゴムの輪に釣り針を入れること」とアドバイスを受けると、上手にすくい上げ、「ありがとうございました」とうれしそうにお礼を言いました。
 友だちといっしょに参加した6年生の男の子は、「去年まであった焼き鳥がないのは残念。復活してください」。
 会場前を通り過ぎようとしていた部活帰りの中学生女子3人組は、受付の「飛び入り参加も大丈夫。焼きそばやかき氷などもあるよ」の声かけに、「えー本当!かき氷大好き」と言って、いそいそと会場に入りました。
 食べ終わった子どもたちは、会場内の砂場や滑り台でも遊ぶなど、にぎやかな雰囲気を楽しんでいる様子でした。
 
 大人も含めて約450人が参加した同行事。子どもたちは「地域で大人から大切にされている」と感じる一日だったのではと思います。「安心」という気持ちが育まれた日かもしれません。
 子どもをめぐっては貧困問題等も指摘されます。「焼きいもの日」「カレーの日」「お餅の日」「手作りゲームの日」など、季節ごとにでも子ども向けの行事が地域にあると、笑顔がより広がるのではと思いました。

2016年8月16日火曜日

ハスカップの思い出

 田舎からハスカップ(写真)が送られてきました。
 北海道やシベリアの一部に生育する低木の実です。表面は黒色で、中は濃い紫色。カルシウムや鉄分、ビタミンが豊富です。アイヌの人びとは「不老長寿の実」と珍重していたそうです。
 
 現在は農家や生産者組合で栽培されていますが、筆者の子どものころは郊外の原野に自生していました。夏休み、友人らとハスカップ採りに出かけ、アルミの弁当箱いっぱいに採集。酸味があるため、砂糖をまぶして唇を赤くしながら味わいました
 
 今回は煮詰めてジャムに。実は昔より少し大きくなりましたが、変わらない故郷の大地の味でした。

2016年8月13日土曜日

開放的な西洋美術館

 東京・上野の国立西洋美術館に行ってきました。世界文化遺産に7月に登録されたこともあり、大勢の人が詰めかけていました。
 まず、前庭に展示されたロダンの「考える人」などを見ながら本館(1959年完成)の正面入口へ。太い柱で支えられたゆとりのある空間があり、来館者は強い日ざしや雨を避けることができます。設計者ル・コルビュジエのこだわりの一つです。

 入館料は430円、高校生以下と65歳以上は無料。来館者に優しい料金設定で、小中学生や若い人も次々訪れていました。
 館内で驚いたのは、写真撮影がフラッシュを使用しなければOKであったことです(写真)。なんとおおらかなのでしょう。休憩用のソファも館内の所々にあります。その上には館の説明書が置かれ、特徴等を理解するうえで役に立ちます。

 展示室は見通しのよい、ひと続きの部屋が広がっていました。角を曲がると同じような景色がまた現れる不思議な空間でもあります。そして何よりもうれしかったのは、よく知られている作品がいくつも展示されていることです。
 モネの「睡蓮」「舟遊び」、ルノワールの「帽子の女」、ゴーギャンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」、ピカソの「男と女」等々。
 絵筆の大胆かつ繊細なタッチや豊かな色彩、絶妙な構図を通して、絵にかける画家の渾身の思いが長い年月を超えて直接伝わってくるようでした。
 開放的で、感動を覚え、親しみも湧く。西洋美術館はいくつも魅力がありました。

2016年8月3日水曜日

丘とカタツムリとサラダ

  部屋にはエアコンがありません。テレビも時計もなし。あるのはうちわと扇風機。涼風が吹き抜ける丘の上の宿はそれだけで十分でした。
 北海道美瑛(びえい)町。早朝の散歩では、靄(もや)がかかり、見えるはずの丘も霞んでいます。生活音は皆無。聞こえるのは、「ポタ、ポタ」と、昨夜降った雨の滴(しずく)が葉から葉に落ちる音でした。
 道路の上ではカタツムリがゆっくり移動。頭部に二対の触角があり、大きいほうの先端に目があるといいます。都会の小学校では生活科で取り上げようとしても実物が見つからなくて困ったとの話を思い出しました。
 靄が少しひき、濃緑や薄黄色の畑が目の前に。丘陵の頂上部に農家と納屋も見え、幻想的なシーンが広がりました(写真)。
 朝食は地元素材を生かした料理をゆったりと。なかでもサラダのジャガイモはもちもち感があり、美味でした。
 豊かな自然と景観。宿のオーナー夫妻の親切なもてなし。心が洗われる美瑛行でした。

2016年8月2日火曜日

危機打開の共闘

 東京都知事選は残念な結果でした。野党統一候補としてたたかった鳥越俊太郎さんには「お疲れさま」の言葉を贈りたいと思います。
  「日本のことは東京のこと」と訴えた氏。憲法を守りたい、原発をなくしたいとの主張は、平和や人間の尊厳をとの広範な願いをくんだ、見識と勇気ある訴えでした。こんごも生命力をもって広がるであろうし、より広げなければなりません。
 
 障害者の共同作業所の運営委員長を務めていた父親にふれた、自分も社会的に弱い立場の人のために尽くしたいとの発言も印象に残りました。安倍暴走政治のなか、住民に優しい地方政治はかつてなく求められています。実現に向けた多彩な取り組みを日常から進めなければと強く思います。
 
 選挙結果の判明後、「衆院選も野党統一でたたかってほしい」と語った氏。そうです。市民と野党との共闘は、今日の危機を打開し、社会進歩をめざすうえで決定的に重要な取り組みです。やすやすと絶やすことはできません。(写真=東京都町田市での街頭演説、7月17日)

2016年7月22日金曜日

麦畑が見える家

 南向きの大きな窓の向こうには、緑色のトウモロコシ畑や薄い黄色の麦畑が広がっています(写真)。隣家が迫る我が家の光景とは大違いです。
 北海道に帰省した過日、知人の新居を訪ねました。
 知人宅は、「日本で最も美しい村」の発祥の地、美瑛町にあります。家づくりでは限られた予算のもとでも建築士や施工業者の協力も得て、環境重視や美意識のこだわりを随所に発揮。
 なかでも感心したのは、外壁と内壁の塗装を知人夫妻が担ったことです。作業は仕事を終えたのち深夜にも及んだといいます。豊かな自然に調和する外壁とともに、白い漆喰(しっくい)が施された内壁は、センスの高さやぬくもりを感じさせます。
 笑顔で家づくりを振り返る夫妻。力を合わせてやり遂げた充足感が伝わってきました。

2016年7月16日土曜日

「自由通路」に自由を

全国初の禁止命令書
  これでは息苦しい街にならないか心配です。
  神奈川県海老名市の駅前(写真)で2月末、ある宣伝活動が行われました。通行の邪魔にならない個所でマネキンに扮して静止し、声を出さずに「アベ政治を許さない」などのプラカードを掲げる「フラッシュモブ」といわれる行動です。集団で威力を示すデモや集会などとも形態の違う活動であり、当日も市民からの苦情はなかったことが市から認められています。横浜駅前で行われた同趣旨の取り組みは、神奈川新聞に「スタイリッシュさで目を引く」と紹介されています。
 
 ところが内野優・海老名市長は3月28日、参加した一市議(「えびな・九条の会」会員)に、海老名駅自由通路条例に違反すると断じ、今後従わない場合は科料(あやまち料)に処すとの「命令書」を下しました。自由通路に関わる条例を制定する自治体は全国に約40ありますが、今回のように科料の制裁をほのめかして「命令書」を発した自治体はこれまで皆無でした。

狙いは政権批判封じ
 なぜ市長は異例といえる過剰な規制を行ったのでしょうか。市側は理由の一つに、「安倍政権に対する政治活動」であったと市議会で答えています。政権批判を封じる政治色の濃い命令であったことが吐露されているのです。自治体が市民に「政権批判はご法度」を押し付けるならば、公平・公正を逸し、公務員職権濫用罪にも該当し得るといっても過言ではないでしょう。
 
 海老名の自由通路条例では物品の配布等を承認の対象とする一方、集会やデモが承認の余地なく、一律に禁止されています。今回の取り組みも集会やデモに該当すると判断されたわけですが、前述の通り、従来のデモや集会の形態とは異なっていたことに加え、国の道路交通法の判例では交通に著しい影響を及ぼす行為でなければ、届け出が不要とされているのです。
 
 そもそも集会やデモなど表現の自由は、憲法が保障する通り、民主主義の根幹です。今回の禁止命令書と海老名市の条例は、道交法や憲法に照らしても重大な瑕疵(かし)があります。
  海老名市の市議らは6月16日、市に対して命令書の取り消しなどを求める訴えを横浜地裁に起こしました。市民が街に出て政治的主張をすることは当たり前という、市民社会の成熟をいっそう前に進めたいと思います。

2016年7月9日土曜日

あすはぜひ投票へ

  いよいよ明日は参議院選挙の投票日。夕方、投票を呼びかける行動に参加しました(写真)。

  今回の選挙への関心の度合いについてマスコミは、「盛り上がりはいまひとつ」と報じています。
  しかし投票率が低いと、「国民の政治への関心は低い。やりたいことをやってもさほど打撃は受けない」などと称して、ごう慢な政治が横行しがちです。
  実際、2014年末の総選挙は低投票率で、自民党の得票割合も有権者の17%にすぎなかったのに、安倍政権が力を注いだのは、攻撃を受けていない日本が米国などの戦争に参戦する安保法制=戦争法の成立でした。戦後の安保政策の大転換というべき暴走であり、およそ民主主義とは言えません。
  加えて今回の選挙は、歴史の岐路になる可能性があります。自民、公明など「改憲4党」の議席が参院でも「3分の2」を占めるならば、憲法改定の国会発議がいよいよ現実味を帯びてくるからです。いまの政治に対して意思表示をすることは本当に重要です。

  駅頭で明日は投票へと呼びかけていると、女性から「がんばってください」との励ましがありました。訴えに一段と力が入りました。

2016年7月1日金曜日

梅ジュースに初挑戦

梅ジュースづくりに初挑戦しました。
 びんに、青梅と氷砂糖を入れ、最後に酢も。ときどきびんを揺らし、氷砂糖を溶かしつつ熟成を待ちました。
 出来たジュースは、透明感のある琥珀色に。冷水で割って飲むと、まろやかで、すっきりした風味を堪能できました。

2016年6月26日日曜日

すがすがしい“法則性”

 サッカーJリーグの第1ステージで昨夜、応援する鹿島アントラースが優勝しました。けさのスポーツ新聞には快挙が大きく紹介されています(写真)。
  Jリーグには豊富な資金力を生かして、優秀な選手を擁するチームがあります。対して鹿島は資金力の限られたチームです。その鹿島がJリーグで最多の優勝を誇るまで強くなった。特筆すべき理由の一つは、チームの団結力や結束力が生かされていることです。
意見を言い、親しく支え合う
 鹿島は長年、「アントラーズファミリー」といわれる通り、選手やスタッフが家族のように親しく支え合うことを重んじ、結束力を高めています。
  この結束力とは、お互いのプレーに意見があっても遠慮してモノを言わないということではありません。今シーズンの鹿島も試合中、選手同士が意見を言い合うという場面がありました。それがあっても、またそうであってこそ発奮し、結束力が増す。確かに同試合は逆転勝ちしました。
 また、欧州のクラブに所属する2人のOB選手は現在帰国中ですが、鹿島の練習に参加し、昨夜は試合会場で応援しました。
試合采配にも人間性を加味
 昨夜の試合には今週退団の決まった選手も出場しました。15年という長年の労苦に報いる、温情ある計らいをチームの指導部が行ったのです。サポーター(昨夜は3万人余)も同選手の出場を求めて大声でコールしました。
 勝敗を競うプロのチームで、去っていったかつての仲間も大事にされる。優勝のかかる試合の采配にも人間性が加味される。寛容や包容力が大切にされ、それが勝利に結びつく。すがすがしい“法則性”が感じられるのではないでしょうか。

2016年6月21日火曜日

30年前の山岳本 至急除架を

2016年6月21日
海老名市長 内野 優 様
           
 図書館と市民を結ぶ海老名の会

                
山岳遭難 最多に
 夏山シーズンを迎え、登山やハイキングが計画されています。登山ルートや山小屋、火山活動などの確認は必要不可欠です。台風や火山帯が多い日本では岩場の崩落等も少なくありません。2015年の山岳遭難は発生件数が2058件を数え、統計が残る1961年以降で最多となっています。
 従って図書館では通常、内容が古くなった山岳本は除架・除籍され、新しい情報を載せたものが開架書架に置かれています。

使用不能の電話番号も掲載
 ところが、神奈川県の海老名市立中央図書館(海老名「ツタヤ図書館」)の「登山ガイドブック」コーナーには、内容の古い図書が公然と置かれています。なかでも「日本の名峰」(山と渓谷社)のシリーズ本は30年前の本です(写真)。
 その一冊、『中央アルプスと御岳』(1986年発行)は山岳写真のほか、登山コースが詳しく紹介され、「コースタイム」「交通」も記されています。しかし、御岳は2014年に噴火。噴火災害での死者数が戦後最悪の58人となりました。
 また、「日本の名峰」の各巻には山小屋とその電話番号も紹介されています。山小屋は登山中の緊急時、避難先にもなることは周知の事実ですが、『立山・剣・薬師』(1985年発行)掲載の剣沢小屋に電話をかけると、「現在使われていません」の声が流れます。
 『槍・常念・燕岳』(1985年発行)の池ノ平小屋は「収容人員100人」と紹介されていますが、電話に出た男性は「100人は昭和の時代だ」と驚き、収容人員を「いまは30人」と話しています。同書の裏表紙には「書庫」のシールが貼られたままです。  

市「除籍基準」に照らしても
 現状とは違う山岳本を利用者の見える開架書架に置くことは、その安全や命を脅かす危険さえ招きかねません。海老名市立図書館の「除籍基準」にも「出版年が古く情報源として適さなくなったもの」は「除籍により蔵書の更新」を図ると明記されています。
 中央図書館で古い情報を載せる山岳本が開架図書とされていることは、直ちに改める必要があります。除架等の手続きをとることを強く要望します。
 本要望に6月30日までに回答されることを、併せて求めます。

2016年6月19日日曜日

「ゆるくなってきた」

  「署名してもいいですか」
 戦争法の廃止を求めるきょう19日の署名行動。声をかけてきたのは若者でした。
 思いを尋ねると、「ゆるくなってきたなと思う」とポツリ。
 一瞬、不明で、どういう意味か再度尋ねました。
 「日本は戦争を放棄した国なのに、集団的自衛権利を行使するというじゃないですか」
 15歳だと語る若者は、戦争法にみずからの言葉で反対の意思を示したのでした。
 感銘を覚えつつ、近づく参院選でも憲法問題などに引き続き関心を寄せてほしいと声をかけました。

 このほか6人が筆者の署名用紙に署名。7歳のとき横浜で空襲を体験した女性は、空襲直後の街頭にゲートルを巻いた兵隊が倒れていて、「水、水」と訴えていた光景が忘れられないと語りました。
 「この子も署名していいですか」と言いながら、小学4年生の男の子といっしょに署名に応じる女性もいました。
 きょうの署名行動も毎月の定例宣伝の一つですが、平和への願いを一筆にこめる署名者が続き、元気をもらう行動になりました。

2016年6月12日日曜日

和やかな清掃活動

 きょうは午前中、自治会の清掃活動がありました。場所は児童公園。強い日ざしのもと、かまを使いながら雑草採りに励みました。
 今回は終了後、豚汁の炊き出しも。野外での炊事でしたが、具材は豚肉、大根、人参、ごぼう、里芋と多彩で、大きな釜で作ったためか、大変おいしかったです。
 親といっしょに幼児や小学生も参加。豚汁をいっしょに食べながら和やかな雰囲気も生まれ、気持ちのよい清掃活動になりました。(写真は清掃後の公園)

2016年5月25日水曜日

コールに高校生もダンス

戦争法廃止などを訴える地域の集会とパレードに参加しました。
街の中心部では「なくせ戦争法」「アベ政治許さず」などとラップ調でコール。下校中の高校生のなかにはコ-ルに合わせて笑顔でダンスを踊り出す姿も。
広く市民に政治課題を訴えるうえでパレードも効果的な形態と、あらためて思いました。(写真はパレード参加者の後ろ姿)

2016年5月1日日曜日

五月晴れ

 けさ、外に出ると、文字通りの五月晴れ(写真)。日の出も4時49分と、早くなりました。すがすがしい気持ちで、布団を干しました。

2016年4月20日水曜日

日本史専攻の青年

 戦争法廃止・署名行動(4月19日=写真)のときのことです。
 駅改札口から出てきた若い男性。耳にはイヤホン。通り過ぎるかなとも思いましたが、「戦争法廃止の署名にご協力ください」と声をかけました。
 青年は足を止め、イヤホンを外しながら、私の差し出したボールペンをさっと握りました。署名を終えたところで、戦争法について尋ねると―。
 「大学で日本史を専攻しているんですが、戦争の悲惨な写真を見て、繰り返してはならないと考えていました。仮に徴兵制が始まると、自分はまず対象になるだろうし」
 この4月、大学に入学したばかりと語る18歳の青年。日本史を学ぶ今日的意義を体現しているのではと思いました。
 聡明な若い世代に出会い、元気をもらえる戦争法廃止行動への参加は止められません。

2016年4月14日木曜日

ニコニコ顔

 新学期が始まりました。
 学習支援の教室は校内移動したため、教材等を台車で運びました。
 ちょうど休み時間中で、男子2人が駆け寄ってきました。学習支援室によく来ていた新6年生です。
 驚いたことに、一カ月ほど会わなかった間に身長がグーンと伸びています。
 「大きくなったね」
 「エヘヘ」「いつから始まるの」
 2人ともニコニコ顔です。
 「月曜からだよ。待っているからね」
 「うん」
 
 待たれている学習支援室。子どもらにとって放課後の“居場所”の一つになっていると思うと、うれしくなります。
 さあ、始動です。(写真は小学校の校庭)


2016年4月8日金曜日

許される?公共図書館の”ブラックボックス”化

2016年4月7日
海老名市長 内野  優 様
   海老名市政を考える会
 
[見解]  海老名市立中央図書館の“ブラックボックス”化は容認できません
――図書館問題をめぐる海老名市の回答について

よりよい図書館への
願い                  
 一、当会は海老名市立図書館問題について2月2日、貴殿宛に要望書を提出しました。2カ月を経過した後に寄せられた回答書は、ひとことでいって、誠意ある内容とは到底いえないものでした。 
 一例を挙げるならば、中央図書館では現在、持参した弁当等を館内では食べられないルールがあるため、高校生が寒風に震えながらテラスでおにぎりを食べるという非人間的な光景さえ生まれています。
 この緊急ともいえる改善要望について今回の回答書は、他の運営面での「改善」を紹介しつつも、まったく触れていません。よりよい図書館への願いに寄り添う姿勢を、ぜひ示していただきたかったと思います。

つじつまが合わない「係争中」なる理由
 一、今回、とりわけ驚いたのは、中央図書館への要望や質問の多くに市が「回答を控える」と述べるとともに、その理由に「係争中につき」を挙げたことです。
 いったい、再オープン時の全購入図書リストの公表、蔵書の分類別構成比、利用者が本を探しやすいように分類を改善することなどの要望のどこに、回答を控え、秘扱いしなければならない理由があったのでしょうか。
 その一つ、雑誌コーナーの拡充は、3月の市議会でも取り上げられ、市側も答弁していました。「係争中」なる理由のつじつまが合わないのではありませんか。
 そもそも中央図書館の再オープンには、市民の多額の税金が投じられています。こうした自治体の事業は、住民の意思に基づいて執行されるという憲法上の住民自治の原則に立っています。中央図書館をめぐる客観的な事実や経過について、市民にいつでもどこでも進んで明らかにすることは、市の当然の責務です。
 今回の市民的な要望と質問への回答を、根拠不明の理由で封じるのは、憲法上も瑕疵があるといわなければならないでしょう。

再回答を
一、中央図書館の再オープンをめぐる経過やそのごの運営については、各方面からも疑念や危惧がいまなお指摘されています。同館の“ブラックボックス”化を先例とすることは、日本の図書館運動の発展を願う立場からも認められないことです。当会の要望書への再回答を強く求めます。
 私たちは今後もさまざまな形で、市民のための市立図書館をめざして力をつくす決意です。

2016年3月31日木曜日

44年目の桜

 近所の小学校の桜は31日朝、5分咲き位に(写真)。44年前の開校時、広い校庭の周囲に植えられた桜です。校庭ではもう少しで新入生の元気な声も響き渡ります。

2016年3月24日木曜日

花言葉は不滅

 朝の散歩中、民家の玄関先から沈丁花(ジンチョウゲ)=写真=の甘い上品な香りが漂ってきました。春の到来を告げる香りに心が踊ります。
 思わず、松任谷由美さんの♪「春よ、来い」を口ずさみました。
 「淡き光立つにわか雨 いとし面影の沈丁花 あふるる涙のつぼみから ひとつひとつ香り始める」
 沈丁花の花言葉は不滅です。

2016年3月22日火曜日

吹奏楽部の“青春万歳”

さわやかな笑顔
 地域の県立高校吹奏楽部の定期演奏会に出かけ、魅了されました。
 なによりも演奏に迫力がありました。地域のコンクールでも金賞を獲るなど実力を備える同部ですが、当夜は、音楽が素人の筆者も「音が伸び伸び出ている」と共感し、高揚感を覚えました。
 加えて感心したのは、ゲスト出演した同校の野球部や合唱部、ダンス部とのコラボレーションが見事だったことです。リズム感あふれる演奏や合唱に合わせて、男女のダンス部が統率の採れた切れのある踊りを舞台いっぱいに披露。どの部の生徒も高校生活をエンジョイする、さわやかな笑顔が印象的でした。

企画・運営の主体は生徒
 演奏会で配布されたプログラムに、学校長や部顧問のあいさつがありました。
 定期演奏会の企画・運営は伝統的に生徒主体で行われているといいます。日常では、自治会の秋祭りや福祉コンサートに出演するなど、地域社会の一員としての活動も。さらに、紛争などで傷ついた子どもたちを助ける「ドイツ国際平和村」への募金活動に協力し、当日も会場に募金箱が置かれていました。
 自主性や自発性が尊重されるとともに、地域との連携や国際平和への協力もすすめる生徒たち。主権者を育む人間教育のあり方の一つが示唆されているのではないでしょうか。
 
 演奏会の最後に顧問の教員から、卒業する3年生の一人ひとりに花束が贈られました。涙ぐむ生徒。そして、「3年間の部活は楽しかった」と笑顔で振り返る代表の生徒。会場から送られる盛大な拍手は、“青春万歳”と聞こえるようでした。(イラスト=当日の演奏会パンフレットから)

2016年3月19日土曜日

相次いだ安倍内閣批判 戦争法廃止行動で

 戦争法の成立強行からちょうど半年の19日、地域の「9条の会」の戦争法廃止署名行動(写真)に参加しました。開始時の午後には朝からの雨も上がり、署名を訴えやすい天気に。一時間の行動で125筆の署名が寄せられました。

 駅頭での署名行動は、通行中の人に、天下の政治課題への協力を訴える”真剣勝負”。名前と住所という個人情報を、まったく知らない人間に差し出してもらうわけですから、当方も歩行者の眼をしっかり見て、堂々かつ誠心誠意、体全体で声をかけます。
 今回も、人の生死に直結する戦争法、南スーダンなどでは自衛隊が戦闘に巻き込まれる危険が迫っていると、訴えに力が入りました。 
 
 「戦争はいやだ」と真っ先に署名に応じたのは、4月から中学に進む男子生徒。当方も、未来の主権者の真剣な対応に励まされ、「戦争法、必ず廃止しようね」と話しかけました。続いて16歳の男子高校生も、「平和が大事だから」と述べてペンを走らせました。

 今回、特徴的であったことは、戦争法問題にとどまらず、安倍政権批判の声が聞かれたことです。
 70代と思われる男性は、「安倍首相は国民のほうを向いていないからだめだ」と強い口調で発言。中年の女性も、国会の審議中、読書にふけったり、携帯をいじったり、居眠りをしていた松島みどり元法相について、「どうなっているのかしら。国会議員の資格ないですよね」と語り、怒りを露わにしました。
 最近の世論調査では内閣支持率が低下しています。軌を一にする特徴が今回の署名行動でも示されました。