2016年8月28日日曜日

気持ちのよい一日のスタート

   地域のラジオ体操(写真)に参加しました。自治会による9日間の限定開催。会場の公園には毎回30数人が集まりました。
   小学生の子どもが中心でしたが、大人とも、「おはようございます」から始まり、終わると、「お疲れさまでした」の挨拶を交わしました。
 気持ちのよい一日のスタートになりました。

2016年8月26日金曜日

「シールズ」の種は飛び、広がってまた芽を出す

励まされる賢明な勇気
  学生団体「シールズ」の発言や活動から考えさせられたことは少なくありません。その一つは、民主主義のあり方、とりわけ日常から主権者として生きることについてです。
  メンバーの一人、奥田愛基さんは、政治参加にふれて、選挙の投票時だけならば、何年かに一度のたった数秒の投票で終わってしまうと述べつつ、「日ごろから主権者としてこの国の政治や社会の問題を考え、行動しなくては。社会は一気に変わらないのだから」(「東京」2015年8月22日付)と指摘しています。
  確かに、市民が人間らしく毎日を生きようとすると、悪政が押し付けられ、貧困や格差が広がる現在にあっては、政治や社会にそれこそ頻繁に意思を示すことは非常に重要です。市民運動は日常から必要であり、集会やデモ、署名、学習会などは不可欠といえます。筆者も「市民運動にがんばらなければ」と背中を押される思いがしました。
  同時に、集会やデモが「民主主義にとっての大事な権利」として市民にいつでも保障されているかというと、必ずしもそのようなことはありません。
  沖縄県東村高江では米軍ヘリパッド(着陸帯)建設工事反対の運動に警察の弾圧行為が相次ぎ、神奈川県海老名市では静止してプラカードを掲げる「マネキン・フラッシュ・モブ」にさえ条例違反の命令書が市から下されています。さらに安倍政権は、市民団体や労働組合も相談の集まりをもっただけで処罰対象になりかねない共謀罪の法案を9月召集の国会に提出しようとしています。
  シールズは、中傷等が吹き荒れても集会やデモで、安保法制=戦争法の問題点やおかしいと思ったら声を上げる意義について、決まり文句ではない自分の言葉で語り続けました(写真=国会前デモ、2015年9月18日)。主権者としての賢明な勇気の発揮です。民主主義を守る諸運動にその健闘を十分に生かさなければと思います。

大きな希望が生まれている
   二つ目は、シールズも原動力となり、野党共闘が実現したことです。
  今回の野党共闘の中心課題は戦争法の廃止でした。  攻撃を受けていない日本が他国を武力で守る集団的自衛権の行使は、憲法9条で禁止する武力行使そのものです。歴代政権は同行使を憲法違反としてきましたが、安倍政権はそれを可能とする戦争法案の採決を強行。「独裁的に国会運営をして、実質的に憲法停止状態をつくってしま」(憲法学者の樋口陽一氏、『「憲法改正」の真実』)いました。
  国民の運命を左右するような状況下、参院選の32の一人区すべてで成立した野党共闘は、戦後史上はじめての選挙協力であり、政権に異議を唱える民意や憲法回復の受け皿をめざす取り組みになりました。
  結果は、改憲勢力が伸長したとはいえ、野党共闘は貴重な成果を挙げました。統一候補は11選挙区で激戦を制して勝利したのをはじめ、28選挙区では野党4党の比例代表の合計得票より統一候補の得票が上回るという「足し算」以上の成果を創出。投票率の上昇幅が前回と比べて大きかった選挙区の上位を一人区が占めるという民主主義の前進もありました。
  さらに今回の参院選で見落せないのは、シールズが複数の定数をもつ選挙区でも、野党共闘に参加する政党とその候補者を応援したことです。野党共闘の前進を展望した、「党派選挙」への協力という新しい選挙戦でもありました。
  今後、衆院選などでも野党共闘をより進展させ、安倍・自公政権と違う国民本位の政策や政権の選択肢を示すならば、「代わるものがいない」という現況を乗り越えて有権者の関心を高め、新しい政治をつくり出す極めて重要な機会となります。大きな希望が生まれています。

きっとどこかで
  シールズは15日に解散しましたが、まいた種は飛び、広がってまた芽を出すことでしょう。そして、「終わったというなら、また始めましょう」というのが彼らの立場です。きっとどこかでまた会えると思うと、胸がふくらんでくるようです。

2016年8月22日月曜日

子ども夏祭り 広がった笑顔

  昨年に続き、地域の自治会主催による「子ども夏祭り」に要員で参加しました。
  用意された食べものは、綿あめ、ポップコーン、かき氷、焼きそば、フランクフルト、豚汁。ヨーヨーや輪投げコーナーも。料金は自治会費で賄われ、すべて無料です。

  一人の男の子は開始1時間半前から会場の公園にやってきました。小学3年生といいます。テント建てなどの準備中も待機。開始後、会場内で姿を見かけると、笑顔で焼きそばを食べていました。
 ヨーヨーつり(写真)にやってきた小学生の女の子は、担当者から「コツは水面近くのゴムの輪に釣り針を入れること」とアドバイスを受けると、上手にすくい上げ、「ありがとうございました」とうれしそうにお礼を言いました。
 友だちといっしょに参加した6年生の男の子は、「去年まであった焼き鳥がないのは残念。復活してください」。
 会場前を通り過ぎようとしていた部活帰りの中学生女子3人組は、受付の「飛び入り参加も大丈夫。焼きそばやかき氷などもあるよ」の声かけに、「えー本当!かき氷大好き」と言って、いそいそと会場に入りました。
 食べ終わった子どもたちは、会場内の砂場や滑り台でも遊ぶなど、にぎやかな雰囲気を楽しんでいる様子でした。
 
 大人も含めて約450人が参加した同行事。子どもたちは「地域で大人から大切にされている」と感じる一日だったのではと思います。「安心」という気持ちが育まれた日かもしれません。
 子どもをめぐっては貧困問題等も指摘されます。「焼きいもの日」「カレーの日」「お餅の日」「手作りゲームの日」など、季節ごとにでも子ども向けの行事が地域にあると、笑顔がより広がるのではと思いました。

2016年8月16日火曜日

ハスカップの思い出

 田舎からハスカップ(写真)が送られてきました。
 北海道やシベリアの一部に生育する低木の実です。表面は黒色で、中は濃い紫色。カルシウムや鉄分、ビタミンが豊富です。アイヌの人びとは「不老長寿の実」と珍重していたそうです。
 
 現在は農家や生産者組合で栽培されていますが、筆者の子どものころは郊外の原野に自生していました。夏休み、友人らとハスカップ採りに出かけ、アルミの弁当箱いっぱいに採集。酸味があるため、砂糖をまぶして唇を赤くしながら味わいました
 
 今回は煮詰めてジャムに。実は昔より少し大きくなりましたが、変わらない故郷の大地の味でした。

2016年8月13日土曜日

開放的な西洋美術館

 東京・上野の国立西洋美術館に行ってきました。世界文化遺産に7月に登録されたこともあり、大勢の人が詰めかけていました。
 まず、前庭に展示されたロダンの「考える人」などを見ながら本館(1959年完成)の正面入口へ。太い柱で支えられたゆとりのある空間があり、来館者は強い日ざしや雨を避けることができます。設計者ル・コルビュジエのこだわりの一つです。

 入館料は430円、高校生以下と65歳以上は無料。来館者に優しい料金設定で、小中学生や若い人も次々訪れていました。
 館内で驚いたのは、写真撮影がフラッシュを使用しなければOKであったことです(写真)。なんとおおらかなのでしょう。休憩用のソファも館内の所々にあります。その上には館の説明書が置かれ、特徴等を理解するうえで役に立ちます。

 展示室は見通しのよい、ひと続きの部屋が広がっていました。角を曲がると同じような景色がまた現れる不思議な空間でもあります。そして何よりもうれしかったのは、よく知られている作品がいくつも展示されていることです。
 モネの「睡蓮」「舟遊び」、ルノワールの「帽子の女」、ゴーギャンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」、ピカソの「男と女」等々。
 絵筆の大胆かつ繊細なタッチや豊かな色彩、絶妙な構図を通して、絵にかける画家の渾身の思いが長い年月を超えて直接伝わってくるようでした。
 開放的で、感動を覚え、親しみも湧く。西洋美術館はいくつも魅力がありました。

2016年8月3日水曜日

丘とカタツムリとサラダ

  部屋にはエアコンがありません。テレビも時計もなし。あるのはうちわと扇風機。涼風が吹き抜ける丘の上の宿はそれだけで十分でした。
 北海道美瑛(びえい)町。早朝の散歩では、靄(もや)がかかり、見えるはずの丘も霞んでいます。生活音は皆無。聞こえるのは、「ポタ、ポタ」と、昨夜降った雨の滴(しずく)が葉から葉に落ちる音でした。
 道路の上ではカタツムリがゆっくり移動。頭部に二対の触角があり、大きいほうの先端に目があるといいます。都会の小学校では生活科で取り上げようとしても実物が見つからなくて困ったとの話を思い出しました。
 靄が少しひき、濃緑や薄黄色の畑が目の前に。丘陵の頂上部に農家と納屋も見え、幻想的なシーンが広がりました(写真)。
 朝食は地元素材を生かした料理をゆったりと。なかでもサラダのジャガイモはもちもち感があり、美味でした。
 豊かな自然と景観。宿のオーナー夫妻の親切なもてなし。心が洗われる美瑛行でした。

2016年8月2日火曜日

危機打開の共闘

 東京都知事選は残念な結果でした。野党統一候補としてたたかった鳥越俊太郎さんには「お疲れさま」の言葉を贈りたいと思います。
  「日本のことは東京のこと」と訴えた氏。憲法を守りたい、原発をなくしたいとの主張は、平和や人間の尊厳をとの広範な願いをくんだ、見識と勇気ある訴えでした。こんごも生命力をもって広がるであろうし、より広げなければなりません。
 
 障害者の共同作業所の運営委員長を務めていた父親にふれた、自分も社会的に弱い立場の人のために尽くしたいとの発言も印象に残りました。安倍暴走政治のなか、住民に優しい地方政治はかつてなく求められています。実現に向けた多彩な取り組みを日常から進めなければと強く思います。
 
 選挙結果の判明後、「衆院選も野党統一でたたかってほしい」と語った氏。そうです。市民と野党との共闘は、今日の危機を打開し、社会進歩をめざすうえで決定的に重要な取り組みです。やすやすと絶やすことはできません。(写真=東京都町田市での街頭演説、7月17日)