東京の知人から送られてきた封筒を開けると、50筆の署名が入っていました。杉並、足立、葛飾、大田と、東京各区の住所と名前が続き、埼玉の方の署名もあります。
神奈川県海老名駅前の自由通路で、「マネキンフラッシュモブ」と呼ばれる宣伝活動に参加した市議に、同市が禁止命令を出した問題。表現の自由を規制し、憲法に違反するとして、命令の取り消しを求める裁判が行われるとともに、それを支援する署名運動が広がっています
ものが言いにくい空気
送られてきた署名は、知人が「底力を示そう」との思いで職場で集め、家族らも地域等で呼びかけました。応じた人びとからは、「市民の自由を縛る動きは怖い」などの声が寄せられたといいます。
その感覚や思いは、いま多くの人が共有するのではないでしょうか。
自由にものが言いにくい空気が世の中をおおい、自民党は表現活動の自由に制約を課す改憲案を公表しています。その最中、駅前で「アベ政治を許さない」のプラカードを静止して掲げた、通行の妨害に当たらない活動さえ禁止されたのです。
人権のなかでも重要
表現の自由は、最高裁でも「基本的人権のうちでもとりわけ重要」と位置づけられています。人間が主権者として生きるうえでの大事な権利です。旧憲法下では自由な口が封じられたことで、平和な社会を政府に求めることさえできなくなりました。
歴史の教訓に照らしても、表現の自由を先細りさせるような動きはけっして軽視できず、ただされる必要があります。
湧いた勇気
同夜、「海老名自由通路を考える会」の役員から、東京・世田谷の方からも25筆の署名が寄せられたとの知らせがありました。勇気が湧いたといいます。表現の自由を守る市民の旗は、しっかりはためいています。