2019年5月6日月曜日

勇気ある記者


東京新聞の望月衣塑子(もちづき・いそこ)記者の講演会(4月30日、座間九条の会・相模原九条の会共催)=写真=に参加しました。官房長官会見で圧力に屈せず勇敢に切り込む同記者。その経緯や思いを、「演劇少女」だったとの姿もほうふつさせるように身振り手振りを交えて満席の会場に語り、終始引き込まれました。

沖縄・辺野古の新基地建設をめぐる望月記者の質問を、安倍政権は「事実誤認」と決めつけ、内閣記者会に排除まで申し入れています。しかし、仮に事実と違いがあるならば、根拠のある説明を丁寧に行えばことは済むというものです。
「権力を監視し、チエックするのがメディアの役割」と講演でのべた氏。沖縄県が埋め立て現場に事実確認のための立ち入り調査を求めても、防衛省がいまなお拒否し続けていることを明かし、「事実がわかることを避けたいからでは」と指摘しました。

氏は武器輸出問題を長年取材してきました。その経験も踏まえて、「戦争に手を貸すメディアであってはならない」と決意をのべ、安倍首相・自民党が狙う憲法9条への自衛隊明記は、2項の戦力不保持と交戦権否認を無力化し、戦争できる国を目指す危険があると警鐘を鳴らしました。

「孤立させてはならない」と立ち上がる現場の記者が増えていることや匿名で取材に応じる官邸官僚が生まれていること、東京新聞社が氏を支えていることなども紹介されました。                 
併せて氏は、今回の圧力問題に対して市民の抗議のメールや電話が官邸に殺到したことに触れて、「市民が声をあげることは社会を変えるうえでも大切だ」と強調しました。

メディアのあるべき立脚点や理念を堅持して実践する望月記者。迷いないその姿に力強さや勇気を感じたのは、きっと筆者だけではなかったと思います。