2014年11月15日土曜日

沖縄基地抑止力論 国民レベルでも打ち破るとき

  コバルトブルーの海が広がる沖縄県名護市辺野古(へのこ)。同県の米軍普天間飛行場の移設地とされます。
 安倍晋三首相からは「沖縄に基地が存在することで抑止力機能を果たす」(10月6日、衆院予算委員会)と、移設の意義が「抑止力」論で語られています。
 しかし、最近発行された「普天間移設 日米の深層」(琉球新報「日米廻り舞台」取材班、青灯社=写真)はその主張に根拠がないことを明らかにしています。

  2012年4月に日米両政府が発表した米軍再編計画の見直しによれば、沖縄の米海兵隊は現行の1万人超から約9000人がグアムなど海外に移転し、沖縄に残るのは約2000人程度といわれています。日米の安全保障問題に詳しいダニエル・スナイダー米スタンフォード大アジア太平洋研究センター副所長は、「沖縄に残る部隊に必要なヘリはせいぜい数機。新たな基地建設は必要なのか」と指摘しています。
  日米関係が専門のマイク・モチヅキ米ジョ-ジ・ワシントン大教授も、沖縄に海兵隊を置かなければ不安というのは「神話」だと指摘。尖閣問題も米国にとっては基本的に日本が対応する問題であり、仮に島が占拠され米軍が対応する事態になったその時点で海兵隊を沖縄に派遣すればいいと語っています。

  そもそも軍事力が戦争を防ぐ抑止にならないことは、これまでの歴史、及び悲惨極まりなかった沖縄戦が示しています。外交や対話、文化の交流などこそ、その力を発揮するし、またそうしなければなりません。
 辺野古新基地建設反対、普天間基地撤去の声を上げ、集会に通い続ける沖縄の人びと。明日投開票の沖縄県知事選では普天間問題を最大の争点に押し上げています。沖縄基地抑止力論を国民レベルでも打ち破るときです。