2014年10月25日土曜日

新聞を読んで 原発再稼働反対に共感

最近、印象に残った新聞記事があります。「毎日」10月21日付でコラムニスト中森明夫氏が朝日新聞に対するバッシング問題などについて述べた記事です。一部を紹介します。

中森氏は30年余、ライターとして雑誌の世界で活躍してきた人物。その氏から見ても、今回の「朝日」の「従軍慰安婦」報道問題等に対する雑誌の「売国」「断末魔」「メルトダウン」という決めつけは、「ヘイトスピーチ的」だと指摘します。
自分のホームグランドがこんな形で「溶解」するのは耐え難いと語り、「まともな読者は嫌気がさして逃げ出している」との“情報”も紹介しています。

中森氏は続いて、福島第一原発の吉田昌郎所長が東日本大震災当時の対応について聴取を受けたさいの「吉田調書」にも言及。衝撃的なのは福島原発事故で「東日本が壊滅の危機にあった」との証言だといい、なぜこの事実にもっと大騒ぎしないのか、国民の命より朝日批判のほうが大事なのかと、マスコミのあり方に疑問を投げかけています。
原発の再稼働に反対だと明言する氏。「自分に子供がいなくて本当によかったと最近は思う。私は死んでしまえばいい。だが、子供たちは……。日本の未来は暗い。私のようなサブカルライターがこんなことを書くようになったら末期だ」
つぎの時代を担う子どもたちと日本の前途を深く憂慮しています。

たしかに福島第一原原発は事故から3年7カ月が経過しましたが、原子炉格納容器のなかにある核燃料はいまなお行方不明状態です。汚染水問題もトラブル続きです。東電社長は2014年度中の浄化完了を約束していましたが、いまから24時間フル稼働してもその達成は厳しいといいます(「朝日」10月17日付)。また、原発事故の避難中に病気や自殺で亡くなった人は少なくとも1千人を超します。
こうしたなか、国民の世論と運動の力で「稼働原発ゼロ」が続く一方、安倍首相は鹿児島県川内原発の再稼働に突き進む方針を明らかにしています。

中森氏の勇気ある発言に接し、その見識に共感を覚えるとともに、原発の再稼働は許せない、政府は「原発ゼロ」の決断をと、あらためて思いました。