2019年12月29日日曜日

横浜にカジノは似合わない


 年の瀬の一日、横浜にでかけました。日曜日で天気もよかったことから、赤レンガ倉庫横のスケート場は若者や子どもらでにぎわい=写真=、山下公園では親子が凧揚げに興じていました。
 
 いま、横浜はカジノ問題で揺れています。安倍晋三首相がカジノを「成長戦略の中核」だと旗振りするなか、林文子市長は8月、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を表明。市議会でも自民、公明両党の会派が賛成しています。
 しかし、朝日新聞が9月に横浜市民を対象に行った世論調査では、IR誘致に反対が64%、賛成が26%でした。

 横浜市民がIRに不安を強めているのには根拠があります。市は税収増にと宣伝していますが、政府自身は「見通しを提示できない」と繰り返し、モデルケースを設けての試算も行っていません。
 また、ギャンブル依存症が増えるとの懸念に対して、カジノ法の規制の柱は「週3回」の入場制限。多くの専門家はそれだけ賭場(とば)にいれば、依存症に陥る恐れが十分あると指摘しています。
 治安の悪化や暴力組織の進出などへの具体的な対応策も不明のままです。

 横浜は、日本と世界を結ぶ港町として発展してきました。異国情緒が漂い、開放的で、おしゃれな街です。「全国住みたい街ランキング」では何度もトップの座に輝いています。
 横浜の街並みや景観は、横浜市民のみならず、国民的な財産といっても過言ではないでしょう。カジノを誘致した場合、この財産が喪失しないとの保障はありません。
 加えて、カジノをめぐっては秋元司衆院議員が収賄容疑で逮捕されました。
 横浜市は誘致活動を中止し、カジノ疑惑の徹底解明をとの声こそあげるべきではないでしょうか。