2015年4月17日金曜日

全力プレーと人間的魅力

超人的な集中力
 最近、共感を覚えたサッカー記事があります。サッカージャーナリストの大住良之さんが、プロの選手とは出場時間のなかで自分の持つ技術・頭脳・体力・情熱のすべてを出し尽くす、その超人的な集中力を発揮できる人だと述べた記事です(「東京」4月15日付夕刊)。
 現在のサッカーJリーグの試合では冗長なプレーが残念ながら度々みられます。大住さんの指摘する全力プレーであってこそ、広く感動を呼ぶのではと思っていたからです。

存在感を発揮
 試合後に余力を残さないということでいえば、個人的な好みからの評価かもしれませんが、J1鹿島の金崎夢生(かなざき・むう)選手はその努力が伝わってくる選手の一人です。攻撃の選手としてアグレッシブなプレーを終始持続させているほか、守備でも手を抜きません。現在チームの最多得点3ゴールを獲得し、今季初めて移籍した選手でありながら存在感をいかんなく発揮しています。

肩を組んで笑って撮ろう
 この金崎選手が最近話題になりました。鹿島と鳥栖の試合(4月3日)で、鳥栖のキム・ミンヒョク選手が金崎選手と競り合ったとき、足で顔を踏みつける行為により、公式戦4試合出場停止の処分を受けたのです。
 そのごキム選手は鹿島を訪ねて金崎選手に謝罪。このとき金崎選手は、「肩を組んで笑って撮ろう」との提案をおこない、「こんど対戦するときもお互いに全力でプレーしよう」と声をかけたといいます。
 なんと寛大で、器の大きさを感じさせる対応でしょうか。キム選手と笑顔で肩を組むその姿にも、さわやかさが伝わってきました。

心・技・体の充実を
 試合では全力プレーし、ピッチ外では人間的に振る舞う。こうした心・技・体を充実させたプロの選手がどんどん増えるならば、感動の輪も広がり、Jリーグの人気はもっと高まるはずです。(写真は4月16日の鹿島と柏の試合=NHKのスポーツニュースから)