2015年4月10日金曜日

どの子にも「わかった」「できた」の喜びを

 小学校の放課後、子どもの学習を支援する事業が自治体で取り組まれています。宿題や自習への相談・支援を通して、基礎学力の定着を図ることなどが目標です。
 学習支援員の話を聞くと、参加する児童は、早く宿題を終わらせて遊びたいなどの動機の子のほか、学習塾に経済的理由から通えない子も少なくないといいます。

 いま日本では6人に1人の子どもが貧困とされる水準で生活しています。
 勤労者の消費支出でも近年、子どもへの仕送り金、授業料、教養娯楽費、書籍代などが減少。寺島実郎・日本総合研究所理事長はこうした状況について、「日本人は学びへの余裕を失いつつある」(『世界』5月号)と指摘しています。

 憂慮すべき現実です。子どもにとって学ぶことやその習慣化は、将来、主権者としての役割を果たすうえで必要不可欠です。
  同時に子どもにとって、「勉強がわかった」「できた」が日々の喜びになることも事実です。
 長年小学校の教員を務めた友人はいいます。
  「教育の現場は昔と様変わりしています。でも子どものわかりたい、知りたいという欲求は変わらないと思います」

  校舎の片隅で子どものつまずきや困りごとにも応じる学習支援活動。子どもの笑顔が目に浮かび、明るい気持ちになります。