2022年3月27日日曜日

「一致団結」が泣いている

   神戸ファンの一人として、承服しかねると声を上げざるを得ません。チームスローガンの「一致団結」に、今回の人事は泥を塗ったといっても過言ではないでしょう。


 サッカーJ1のヴィッセル神戸がクラブのスポーツダイレクター(SD)に、永井秀樹氏を就任させた問題。氏は前所属チームの東京ヴェルディで、選手やスタッフにパワーハラスメントをはたらいたとして、日本サッカー協会より、チーム監督に必要なS級ライセンスの一年間の停止、研修や社会奉仕活動への参加が決められていた人物です。この認定は今回のSD就任の10日程前に下され、氏が謹慎中であったことはいうまでもありません。

SDは選手の強化や育成年代の統括を担う要職です。神戸では監督と同等、ないしはそれ以上の権限を持っています。それゆえ今回の人事は、運転免許停止中の人物を、自動車教習所の主任教官に座らせたようなものと揶揄される始末です。

そもそもパワハラは人権を侵害する犯罪同然の行為です。神戸にはコンプライアンス(社会規範遵守)の認識について、厳しく問われる必要があります。

今回の人事について神戸の親会社・楽天側からは、永井氏に「セカンドチャンスを」との発言がありました。では、パワハラの被害者が謹慎中の”入閣”をどう受け止めていると考えているのか、その救済についてもどう対応するのか、ぜひ聞きたいところです。

神戸は今月11日の対鹿島とのホーム試合前、両チームの選手が「STOP WAR」の看板前で撮影する場面(写真)をセットし、注目されました。社会的な視野を持つクラブならば、人権の尊重は、平和の原理の根底にある大原理だとの理解を持ち合わせてもよかったのではないでしょうか。

今回の人事の速やかな見直しを、強く求めます。