2016年11月2日水曜日

明日への英気養うカレンダー

  ことしも「日本の米カレンダー」の2017年版が届きました。
 どんな風景や景観がと、はやる気持ちを抑えつつ一枚一枚めくります。
 「備長炭と梅林」(和歌山県みなべ・田辺地域)、「観音寺川の櫻並木」(福島県猪苗代町)、稲干し(新潟県長岡市)……。
  日本はすばらしい景観が広がり、米づくりなどに営々といそしむ人びとの姿があることを再認識させられます。

  折しも国会では環太平洋連携協定(TPP)の承認案・関連法案が重大局面を迎えています。農業はじめ食の安全、医療、雇用など、さまざまな分野で国民の暮らしを根底から脅かす法案です。
   今回のカレンダーには羊蹄山(北海道倶知安町)のふもとで黄緑色に広がる水田が紹介されています(写真)。
  北海道の米は長い間、「内地米」に比べて味が劣るといわれてきました。筆者も北海道での学生時代、本州出身の友人から「内地米」で握ったおにぎりをもらい、「米ってこんなにおいしいのか」と驚いたことがあります。
 その北海道産米が、「米カレンダー」の編者・富山和子さんも指摘する通り、様々な苦難を乗り越えて、近年はおいしい米の代表に名を連ねています。TPPが承認・発動されるならば、重大な影響を受けることは必至です。到底許されるものではありません。

  農業や自然環境の危機に警告を発しつつ、庶民の地をはう努力に光をあてる富山さん。その熱意が結実するカレンダーに、明日への英気が養われます。

 〈「 米カレンダー」の問い合わせ先 国際カレンダー株式会社 電話03-5829-4100、FAX03-5829-4103〉