2016年11月9日水曜日

「よいとまけ」と馬車

  父親から菓子「よいとまけ」が送られてきました。故郷の北海道を代表する菓子の一つです。

  故郷には製紙工場があります。1910年(明治43年)に工場が建設されると、街には朝から暗くなるまで、紙の原料となる丸太を上げ下ろす際の「よいとぉまいたぁ、よいとぉまいたぁ」という労働者の勇ましいかけ声が響いていました。筆者の祖父も製紙工場の労働者でした。
 
  戦後の1953年、地元の菓子屋は、丸太の形をしたロールカステラに、近郊の勇払原野に自生するハスカップのジャムを配した菓子を創作。商品名に、耳にしていた「よいとまけ」を採用したといいます。
  誕生から60年余。近年はテレビのバラエティ番組で「日本一食べづらいお菓子」と紹介されましたが、ハスカップの野性的な酸味にひきつけられます。

 「よいとまけ」を食べると、思い出す故郷の光景があります。往来をカッポカッポと歩く馬車。荷台には丸太の小片であるチップが積まれています。子どもらは御者に隠れるようにして荷台の後ろに乗り、運ばれるのを楽しみました。