2015年8月28日金曜日

歌劇の曲が流れる洋食店

 駅前通りというのに、行き交う人は数えるほどです。でも、その洋食店にはサラリーマン風の男性や女性グループ、老夫婦などが次々やってきました。

 同店は半世紀も前、小学生の筆者が叔父に連れられ、生まれて初めて洋食を口にした店です。
 デミグラスソースのまろやかな味。「世の中にこんなおいしいものがあるのか」と驚いたものです。フォークやナイフの使い方を教わったのも同店でした。店のテレビについて、チャンネルはNHKだけと説明されたことも覚えています。
 そのごも訪れましたが、初めて入ったときの思い出が鮮明に記憶されています。

 創業96周年の同店。今回着いたときは開店前でしたが、「よろしければ、中でお待ちください」との案内で店内へ。造作は昔と変わらない洋風で、木の床にピアノが置かれ、歌劇の曲が流れていました(写真)。
 テーブルに並べられたフォークやナイフには店名が刻まれ、歴史を感じさせます。経営者の妻という接客の女性は、当方の思い出話に親切に応じつつ、前経営者について描かれた本も紹介してくれました。
 注文したランチのハンバーグは、スープ、野菜サラダ、ライス、コーヒーが付き、料金は格安でした。 
 故郷の懐かしい味。「子どものときの味覚は忘れない」とあらためて思いました。そして昨日は最寄りの図書館に、紹介された本をリクエストしました。