2017年3月24日金曜日

「青春本棚」の挑戦

松山市立中央図書館で
  図書館の一角に「青春本棚」(写真)がありました。中・高生向けの小説や生き方の関係書などが並べられています。愛媛県松山市立中央図書館が昨年10月から始めた同コーナー。「これまで支援が十分行き届いていなかった中・高生の居場所をつくる」が設置目的です。

参加型を重視
  若い世代向けにコーナーを設けることは他の図書館でも行われています。松山市立中央図書館の特徴は中・高生の参加を重視していることです。
 「青春本棚」の名付け親は高3の女子生徒。同生徒は、「青春のいましか楽しめない本はたくさんある。それをわかってほしい」とその動機を語り、仲間に利用を呼びかけています。コーナーに飾られる「わたしのおすすめ本紹介します」と題したカラフルなPOPは、すべて中・高生の手書きによるものです。

図書館の熱意
 同図書館では館員の熱意も発揮されています。「青春本棚」コーナーに置かれた「ひとことカ-ド」には職員が丁寧に回答。希望する本のリクエストには、「〇〇は発注します。しばらくお待ちください。できれば、POPも投稿してくださいね」と記されています。
 また、「青春本棚通信」(季刊)と題する中・高生向けのニュースも発行。「おすすめBOOK」が館員の書評とともに紹介されています。

「居場所が見つかりました」
 「青春本棚」への中・高生の反応は上々です。
  「すごくいいと思います。読みたい本がたくさんありました」(中3)、「早くきとけばよかったです。落ち着けて、居場所が見つかりました」(中2)
 同図書館では「青春本棚」と併せ、若者ONLYイベントとして「文豪」読書会も開催されています。太宰治や芥川龍之介らの作品を読んで、「まったりと語り合う」ことが趣旨で、1回目の2月の読書会には6人が参加しました。
 図書館の意欲的な取り組みにより、中・高生の読書へのエネルギーが引き出されています。若い世代が本との出会いを通して、視野をより広げ、生きる力を育むことを期待したいと思います。