2015年10月13日火曜日

海老名「ツタヤ」問題で市民が市教委と交渉  避難訓練は緊急課題 

 神奈川県海老名市立図書館の運営について「海老名市政を考える会(笹川忠夫会長)は13日、市教育委員会と話し合いを行いました。
 同図書館は2014年度から5年間、レンタルのツタヤを展開する会社と組んで運営。海老名市からツタヤに指定管理料として約16億円が支払われます。しかし、改装オープン後、蔵書の不適切な購入に加えて、さまざまな不安や批判が市民から出されています。
 この日も、4階の幼児・児童向けフロアについて、避難訓練がまだ実施されていないことが参加者から明らかにされました。市とツタヤ側が交わした「業務仕様書」では避難訓練の実施が規定されており、「首都直下型地震や東海地震はいつ起きても不思議でない。大惨事を招かないためにも避難訓練は至急行われるべきだ」との訴えがありました。
 海老名「ツタヤ」図書館では、定期的に購入する雑誌が大幅に減るという問題も起きています。旧図書館では購入雑誌が158冊を数えていましたが、「ツタヤ」化後、文芸・健康・教育・スポーツなどの雑誌が軒並みカット。購入雑誌は以前の4分の1、約40冊まで後退しています。館内のツタヤ書店の雑誌(販売用)を見ることができるとの市教委の説明に、参加者は「それらの雑誌は借りることができない。図書館としてのバックナンバーもなくなる」と指摘。利用者が多い雑誌コーナーはサービスを拡充すべきだと訴えられました。
 また、図書館を利用することが困難な障害者等に対しては、ノーマライゼーション(障害のある人も、ない人と同様の生活ができるように支援する考え方)の一環として、図書宅配を無償実施することが「業務仕様書」で確認されています。ところが利用者に配布される海老名「ツタヤ」図書館の案内リーフには、無償との説明がいっさい記載されていません。リーフの改定を求める参加者に、市教委側は「ご意見を受け止める」と答えざるを得ませんでした。