2022年6月20日月曜日

Fさん

   昨年、えびな・九条の会の会報読者に。折り込まれていた憲法改悪反対署名を知人らに声をかけて集めました。「いま戦争に進む空気があるけれど、戦争は地獄。憲法9条は守らないと」

東京都出身の93歳。戦争中の中学時代、露店商で忙しい親の代わりに千葉や茨城へ食料の買い出しに。交換用の着物などがなく、農家に言われた鍋を買い、リュックに詰めて出かけたこともあります。

学校に行っても動員や軍事訓練ばかりでした。動員先は造船所。爆弾を積む一人乗りの特攻艇がベニヤ板で造られていました。

東京大空襲では向島(墨田区)の自宅が全焼。荒川の土手まで逃げ、見下ろすと火の海でした。「そのあとはあっちこっちを転々と。思い出したくないね」

戦後、左官や大工の手伝いなどを経て、役所の清掃課に勤務。地域では自治会長も。7年程前、厚木市の自主夜間中学えんぴつの会を知り、勉強したいと思いました。 

毎週木曜日、リュックに教材やノートを詰め、バスと電車を乗り継いで会へ。ボランティアの前川喜平元文科省事務次官からは憲法について、国民のためにあると教わりました。

「行くたびに勉強になる」。前を向いて歩んできた人生です。