2021年12月31日金曜日

Iさんへの礼状


 このたびは過分な募金をいただき、誠にありがとうございます。大切にお志を使わせていただきます。

I様に当会の会報にご登場いただいたのは、2018年1月号でした。早いものですね。

お話の中心は、国民学校や自宅庭への機銃掃射という1945年当時の戦争体験でした。なかでも印象深かったのは、「戦争は終わってからも生活が大変だ」と言われたことです。一番つらかったのは履くものもなかったため、畑の麦踏みなどを裸足でやり、血がにじんだことだったと。

当地での戦争体験を具体的に伺うのは私も初めてでした。恐怖感や被害の甚大さを身近に感じるとともに、戦争は2度と繰り返させてはならないと決意をあらたにしたものです。

 残念ながら昨今の政治情勢は油断できませんね。敵基地攻撃能力の保有とか、来年の参院選時に改憲のための国民投票をといった、社会の歯車を後ろに回すような議論が飛びかっています。I様が語られた戦争体験と平和への願いの今日的な意義はいっそう増しているのではないでしょうか。

ご承知の通り、憲法や九条を守り、生かしたいという国民は大勢います。ことし5月3日の朝日新聞の世論調査では「憲法9条は変えないほうがよい」が61%を占めました。どの政党の支持率よりも大きな塊といっても過言ではありません。

当地の九条の会もおかげさまで、講演会が連続的に盛況で、駅頭宣伝も継続して実施し反響を得ています。会員・会報読者は18年当時の267人から現在597人に増え、期待や信頼を広げています。

こうした仲間・友人と、もちろんI様と、「憲法を生かすすべての勢力は共同を」の訴えを掲げて粘り強くがんばりたいと思います。草の根から憲法が輝く希望ある日本への道を切り開き、前進することは必ず可能だと確信しています。 

寒さに加えてコロナ禍の不安も増しています。どうかお身体大切に、ますますご活躍ください。またお会いできる日を楽しみにしています。(写真=2021大晦日の空)