2021年11月1日月曜日

いくら説明しても届かない


 自民党幹事長甘利明氏の衆院選小選挙区での落選が報じられたのは、きょう11月1日午前0時ころでした。同党の現職幹事長の敗北は史上初。6時間後、氏の地元神奈川13区内のラジオ体操会場でもその話で持ち切りになりました。

「甘利、やっぱり落ちたな」

「当然だよ」

「選挙事務所も選挙中なのに閑散としていたよ」

「いつもなら何回もかかってくる支持依頼の電話も、今回は一回もかかってこなかった」

 

2016年の現金授受疑惑を引きずる氏。31日夜の党本部で、記者団に「政治とカネの問題が逆風になったか」と問われると、苦しい胸の内をこう明かしたといいます。「いくら説明してもなかなか届かない。ジレンマを感じている」

そうでしょう。落選は当然だと話した先の方はきっぱり指摘します。

「甘利は、(現金授受疑惑を)『自分は知らなかった』と、繰り返し秘書のせいにするだけだ。上司として無責任だし、汚い」

こうした「言い逃れている」との受け止めが地元有権者にある限り、氏が何回も説明したと強弁したところで届かないはずです。説明の中身自体や真摯な反省こそ問われているのです。

 甘利氏の今回の敗北は、政治の説明責任の重要性を改めて示しています。