1年生のSくんは、外の渡り廊下を歩いてきたので、ランドセルがびっしょりぬれていました。換気扇が不気味な音を響かせています。
「怖いよぉ」
小さな体を震わせ、目に涙を浮かべています。普段から性格の優しい児童です。
「大丈夫だよ。先生がいるから」
ランドセルを拭きつつ、声をかけました。
帰宅時、雨脚は弱まっていましたが、Sくんはまだ不安気な様子です。家が近いKくんと一緒に帰ることに。
玄関先まで見送り、車に気を付けることなどを伝えました。
翌日の支援教室。やってきたSくんが「きのうはありがとうございました」。笑顔でピョコンと頭を下げました。