2020年2月29日土曜日

一律休校を前に


28日の午後、携帯が鳴りました。
「学校が3月2日から24日まで臨時休校と決まり、学習支援教室も休みになります」
小学校関係者からの連絡です。当該校の3学期の終了式は3月25日でしたから、3月は丸々休校に。突然降ってきた安倍晋三首相の「全国一律休校」の要請をうけた対応です。

子どもを新型コロナウイルスの感染リスクから守るのは当然ですが、27日夜の「全国一律休校」要請はあまりに唐突です。
だいいち、この時期、どの学年も教科書の学習が終わっていません。支援教室にも今週は、分数に戸惑う2年生や百分率が理解できない5年生がやってきました。
卒業を前にする6年生は、中学校進学への高揚感とともに、「いまのクラスが好き。みんなと別れたくない」と友情を温め合うときです。急な別離に悲しみを募らせていることでしょう。

加えて今回の首相判断の重大性について、元文科省審議官の寺脇研さんは教育現場への乱暴な政治介入と指摘します。各自治体の教育委員会には毎年のインフルエンザへの対応経験があるほか、学校には養護教諭の配置等、「安全装置」機能もあるといいます。

安倍首相が主導する改憲の柱の一つは、国民の権利を一方的に制限する「緊急事態条項」の新設です。同条項が安倍首相のもとで仮にも憲法に盛り込まれるならば、国民の生活や権利は強権的に、また唐突に甚大な影響を受けることを、今回の事態はあらためて裏付けています。
(写真は芽を膨らませる桜の木=2月29日早朝。安倍首相の「桜」私物化疑惑を思い起こしました)