2019年11月5日火曜日

落ちていなかった黒カビ


海老名市のレクリエーション施設「ビナスポ」(写真)のプールで黒カビが放置されている問題について、市の担当者から5日、報告がありました。
「施設(指定管理者=相鉄・コナミ)に出向き、現場を確認した。今回の指摘を受けたのち、施設側に話を伝えていたので清掃に着手していたが、落ちきっていない個所があった。引き続き清掃を行うように管理者に話した」

黒カビは落としきれていなかった――果たして許容されることでしょうか。その害悪は感染症やぜんそく等、広く指摘されています。民間のスポーツジムの利用者に尋ねると、「およそ自分のジムでは黒カビなど見たことがない」と言います。
同施設は2017年にもレジオネラ菌が基準を超えて発見され、保健所から営業停止の処分を受けていました。衛生管理がいまなおルーズであることが露呈した事態ではないでしょうか。

厚生労働省の通達「遊泳用プールの衛生基準について」(2007年)は、プールサイドや更衣室等、利用者が使用する設備は毎日一回以上清掃すると記しています。市は指定管理者との協定書に同事項が盛り込まれていないと述べていますが、記載がなくても、衛生基準を確保するうえでの国の大事な指針です。
「官民癒着か」――市はそうした疑念をもたれないよう、「毎日一回以上」清掃を行うことなど、指定管理者への指導を強めることこそ公的責務といえましょう。