2015年12月20日日曜日

自己ベストに挑む―学習支援教室から

 「やったぁ、自己ベストだ」
 小学校の放課後の学習支援教室で、5年生のS君が笑顔で声を上げました。
 今秋から取り組む「掛け算の百マス計算」。九九を百のマスに埋め、正誤とともに時間を問う学習です。支援教室では他の子との競争ではなく、自分の記録への挑戦と位置づけています。

 2年生で習う掛け算は算数のさまざまな学習の基礎ですが、どの子も完璧にマスターしているとは言いきれないのが現状です。
 このなかで「百マス計算」はゲーム的要素もあるのか、進んで取り組む子どもが徐々に増加。継続することで、計算力はもとより集中力や自発性を育む一助になっているように見えます。

 宿題などを終えたのち、自分から「百マスやります」と切り出すS君。開始前は鉛筆をチェックし、椅子に座る姿勢を正すようになりました。支援員の「用意」の声で集中を高め、「スタート」で鉛筆を一心に走らせます。
 8の段や9の段などでは当初、言いづらいせいか、「掛け直し」(例えば9×7を7×9に)を行っていましたが、いまでは時間にロスが生じるとして、段そのもので覚えています。3カ月が経過した現在、やり遂げる時間は約1分短縮。満点も続いています。

 学習に興味を持ったときの子どもの成長に、改めて驚かされています。