2020年12月21日月曜日

地域の知の力

 


  入室すると、すぐのところに新刊の表紙がコピーされて掲示してありました。ひと目でわかる工夫です。

 座間市の東地区文化センター(公民館)の図書室(写真)を見学しました。蔵書が約2万冊(うち児童書7500冊)を数え、一般紙のほか雑誌16誌も定期購読。一カ月の利用者数は1800人と、地域に根差す施設です。

市の職員が常駐します。座間市立図書館との連携網が確立し、利用者は図書室の蔵書外の本もリクエストから数日で手にすることが可能です。

なかでも印象深かったのは、同センターや図書室を拠点とする「あすなろ大学」の取り組みです。60歳以上の住民約200人が登録。郷土史のほか、「平和を徹底的に守り抜くー語り継ぐあの戦争」をテーマとする講座や、それぞれの関心事にもとづく調べ学習を行っています。

最近の時事講座では講師(元毎日新聞記者)のレジュメの柱の一つが、「個人の尊重・基本的人権と批判精神」でした。

同大学は33年にわたり長期に継続しています。「調べ学習では年々プレゼンテーシヨンの質が向上している」(岡田勉・東地区文化センター館長)といいます。

地域の知の力はこうして脈々と形成されるのかと、たいへん刺激を受ける見学になりました。