2019年10月8日火曜日

三度の飯より部活が好きだ―!


心地よい秋風が吹く一日、首都圏の私立中学・高校の文化祭を訪ねました。演奏中の吹奏楽部を見て、少し驚きました。生徒の数がわずか12名だったからです。

部の紹介パンフによれば、過去には部員数が60名近い時代もあったものの、近年は減少し、昨年度はついに1名と、“絶滅危惧状態”に。でも、ことし、高校が共学化したことで、高校生9名、中学生3名で再スタート。文化祭に向けて練習を重ねてきたといいます。

その日も、一人二役で違う楽器を演奏しても、すべてのパート(楽器)によるフル編成にはならないため、音のバランスをとることが難しそうでした。
それでも、「吹奏楽部の復活を」との情熱は、12名の何倍も詰めかけた聴衆に届いているようでした。演奏曲が終わるたびに惜しみない拍手が送られたからです。

紹介パンフの文が印象的でした。
「廃部の危機を乗り越えてくれた1名の部員に、『ありがとう』の言葉を送ります」(顧問教員)
「この日を迎え、胸がいっぱいです。三度の飯より部活が好きだ―!」(吹奏楽部部長)
生徒に温かい眼差しを注ぐ教員と、全力で演奏する生徒たち。すがすがしさを覚えました。