2019年2月27日水曜日

憲法生かす賢明な主権者に


前売りチケットが完売となった前川喜平・文科省元事務次官の講演会「私と憲法 9条にもふれて」(2月1日、海老名市文化会館小ホール、えびな・九条の会主催)。ユーモアも交えたわかりやすい語り口は若い世代も含む316人の参加者を魅了し、勇気の湧く集いとなりました。
講演の大要を紹介します。

憲法を道しるべに
 文部官僚として38年間、憲法を道しるべに仕事をしてきた。個人の尊厳を守り、公務員は全体の奉仕者との立場に立ってきた。「だれかのお友だちのための仕事」はしてこなかった。
2015年に安全保障関連法が強行されたときは現職中だったが反対を言いたく、国会前のデモに参加した。
安保法の本質は自衛隊を認めるかどうかではなく、米国の戦争に参加する集団的自衛権を認めることだ。しかし、戦力不保持の憲法9条は集団的自衛権を認めていない。

追い込まれる安倍政権
安倍一強は小選挙区制で公認権を安倍さんに握られたことから生まれた。行政府も司法もその支配に置かれ、危険性が増している。
森友・加計学園問題はそれが現実化した。森友問題では近畿財務局の職員が公文書の改ざんを命じられ、亡くなった。その責任はだれが取っているのか。
安倍政権の失敗は目を覆うばかりだ。アベノミクスは生活を豊かにするものではないことがわかってきた。ロシア外交や原発の輸出政策も大失敗だ。

知る権利・学ぶ権利を
教育では道徳の教科化などにより子どもの内面を支配する動きが強まっている。価値に関する学習は憲法に基づくべきだ。
政府を監視する上でも憲法の保障する知る権利や学ぶ権利が大切だ。そうしてこそ賢明な主権者が育つ。