2017年4月24日月曜日

一味違う饅頭

愛媛県松山市を訪ねたさい、ガイドブックに紹介されたネーミングに興味を持ち、「労研饅頭」(ろうけんまんとう)なる菓子を市内大街道の店=写真=で購入しました。素朴な味の蒸しパン状の菓子でした。

由来は、昭和の初め、岡山県倉敷市の労働科学研究所(当時の「クラボウ」の社長・大原孫三郎が労働環境の改善を目的に設立した研究機関)が中国の饅頭を、日本人向けに改良して作ったのが始まりとのこと。松山では1931年(昭和6年)、「夜学生に学資を」と、松山夜学校奨学会で製造を始め、各学校の売店などで販売。現在も、当時から生き残る酵母菌が使われ、地元の人に親しまれているといいます。

先日、知人のS氏に、松山に行ってきたことや「労研頭」なる菓子に出会ったことなどを話しました。驚いたことに氏は若いとき、労働科学研究所に勤めていたといいます。「労研饅頭」についても話が弾みました。
すると後日、S氏から「懐かしくて松山から取り寄せたので、どうぞ」と、同饅頭のおすそ分けがありました。

小麦粉を主原料に、よもぎや黒大豆、うずら豆の入った味付け7種類のほか、北海道産小豆や鳴門金時などのあん入り7種類の全14種類。多彩な組み合わせと、保存料を使っていない自然食に楽しくなります。そして偶然の巡りあわせや由来にも思いを馳せながら食べると、一味違います。