本屋がない。当たり前と言えば当たり前の光景です。昨年11月にオープンした神奈川県大和市立図書館(写真)。置かれている本は文字通り、“市民の本”です。入り口のすぐそばから「蔦屋書店」が構えるわが街の図書館(海老名市立中央図書館)とは大きく違っていました。
座席数は795
大和市立図書館でまず目を引くのは、座席が多いこと。「だれもがくつろげるように」と、どの階にも多種多様な座席があり、その数は795席。
読書室の座席はボックス型で仕切りがあるほか、窓際の座席(写真)一つひとつにもライトが付くなど、使いやすさや居心地の良さが追求されています。見学時も閲覧席には大人にまじって、教科書や絵本を開く小学生の姿がありました。
購読雑誌の数は約400冊。さまざまなジャンルの雑誌が置かれ、市民の人気のコーナーです。新聞(政党紙含む、写真下)はその週の分と当月分が利用しやすく並び、専用台で読むこともできます。
ティーンズコーナー、まんがコーナーも
児童書は蔵書数が13万8千冊(海老名の図書館は11万8千冊)と豊富です。大和市立図書館は従来から「発行された児童書を全部購入する図書館」として知られていますが、新装後もこの方針が引き継がれています。
「ティーンズコーナー」には中高生向けに、学校生活や将来の進路を考えるのに役立つ本を整備。「まんがコーナー」には懐かしの漫画や人気漫画がそろえられています。「こどもシアターブース」ではアニメに親しむ小学生らの姿も(写真)。
持ち込みの弁当などを食べられる食事・歓談スペース(80席、写真下)は開放的な空間に設けられ、くつろぐ市民や小中高生らの姿がありました。
すべての市民の利用めざして
「すべての市民に利用される施設を目指す」という大和市立図書館。公立図書館本来のあり方を考えるうえで非常に参考になります。