2019年4月7日日曜日

夜の病室で

 
  深夜の2時頃でしょうか。大部屋の病室。患者と看護師のやり取りする声で目を覚ましました。
「給料はいいの」
「そうでもないですよ」
薄暗い部屋のなかで若い看護師のつぶやくような声。点滴の交換でやってきたのでしょうか。
「夜勤はどのくらいあるの」
「月5回です」
夜勤は夕方5時から翌日9時までの16時間に及びます。複数勤務で仮眠も可能とはいえ、その間、体温・血圧の測定や薬の配付を行い、繰り返し鳴るナースコールには小走りで対応。命を守る献身的な看護に、患者はどれほど心が落ち着くことか。
「仕事で希望することは」
「夜勤のない仕事かな」
「どうして」
「夜は眠りたいですよ」
人間としての基本的な欲求を耳にし、看護師の増員を、と強く思う深夜でした。