2016年6月21日火曜日

30年前の山岳本 至急除架を

2016年6月21日
海老名市長 内野 優 様
           
 図書館と市民を結ぶ海老名の会

                
山岳遭難 最多に
 夏山シーズンを迎え、登山やハイキングが計画されています。登山ルートや山小屋、火山活動などの確認は必要不可欠です。台風や火山帯が多い日本では岩場の崩落等も少なくありません。2015年の山岳遭難は発生件数が2058件を数え、統計が残る1961年以降で最多となっています。
 従って図書館では通常、内容が古くなった山岳本は除架・除籍され、新しい情報を載せたものが開架書架に置かれています。

使用不能の電話番号も掲載
 ところが、神奈川県の海老名市立中央図書館(海老名「ツタヤ図書館」)の「登山ガイドブック」コーナーには、内容の古い図書が公然と置かれています。なかでも「日本の名峰」(山と渓谷社)のシリーズ本は30年前の本です(写真)。
 その一冊、『中央アルプスと御岳』(1986年発行)は山岳写真のほか、登山コースが詳しく紹介され、「コースタイム」「交通」も記されています。しかし、御岳は2014年に噴火。噴火災害での死者数が戦後最悪の58人となりました。
 また、「日本の名峰」の各巻には山小屋とその電話番号も紹介されています。山小屋は登山中の緊急時、避難先にもなることは周知の事実ですが、『立山・剣・薬師』(1985年発行)掲載の剣沢小屋に電話をかけると、「現在使われていません」の声が流れます。
 『槍・常念・燕岳』(1985年発行)の池ノ平小屋は「収容人員100人」と紹介されていますが、電話に出た男性は「100人は昭和の時代だ」と驚き、収容人員を「いまは30人」と話しています。同書の裏表紙には「書庫」のシールが貼られたままです。  

市「除籍基準」に照らしても
 現状とは違う山岳本を利用者の見える開架書架に置くことは、その安全や命を脅かす危険さえ招きかねません。海老名市立図書館の「除籍基準」にも「出版年が古く情報源として適さなくなったもの」は「除籍により蔵書の更新」を図ると明記されています。
 中央図書館で古い情報を載せる山岳本が開架図書とされていることは、直ちに改める必要があります。除架等の手続きをとることを強く要望します。
 本要望に6月30日までに回答されることを、併せて求めます。