あす6月1日からの学校再開を前に、地域の小学校では校庭の鉄棒や雲梯、ジャングルジムなどの遊具に、軒並みスズランテープが×状にくくり付けられています=写真=。あわせて、「使用禁止
よりかからない・ぶら下がらない・さわらない」の看板もダメ押し的に遊具に。
コロナ対策であることは一目瞭然ですが、学校での活動がこれほど“ダメ”“ダメ”と否定されると、大人でも落ち込んでしまいます。それでなくても子どもたちは長期の休校で心身のケアが指摘されています。学校は過剰な規制を広げることで、絶望的な気持ちを抱かせるような事態だけは避けなければならないはずです。
国のコロナ対策の助言を行う専門家会議は、子どもたちについて、「現時点の知見では、地域において感染拡大の役割をほとんど果たしてはいない」(4月1日の提言)と述べています。文部科学省のサイトも、休校による運動不足の懸念にふれて、ブランコや滑り台などの遊びを安全な環境のもとで行うことを呼びかけています。
年単位で続くといわれるコロナウイルスの流行。学校はいま、感染対策を前提にしつつ、子どもに寄り添う教育的な工夫や知恵こそ求められているのではないでしょうか。
けさの東京新聞の一面に、「おかえりなさい」と記された写真が載っていました。東京の公立小学校の先生が児童を歓迎するために用意した垂れ幕です。笑顔の“ニコちゃん”マークも描かれています。
これだ、と思いました。仮に、鉄棒や雲梯などの使用が当面規制されたとしても、その告知は、ニコちゃんマーク付きの「もうしばらくがまんしてね」との文言ではいかがでしょうか。