サッカーJ1ヴィッセル神戸のDF酒井高徳(さかい・ごうとく)選手(29)に、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たからです。
日本人の父親とドイツ人の母親との間に生まれた酒井。世界1の健全経営を誇るドイツのプロサッカーリーグ・ブンデスリーガでは、日本人選手で史上初めてチームキャプテンを務めました。対人守備に絶対的な安定感をみせるほか、強いフィジカル(身体能力)を生かして長い距離をアップダウンできます。
加えて特筆されるのは、ドイツの監督から「メンタリティーはピカイチ」と評されたように、たたかう姿勢を試合でも練習でも貫けることです。
イニエスタら世界的な名選手を擁しているのに、いったん守備等が崩れると、立て続けに得点を献上するひ弱さのあった神戸。このチームがことし1月の全日本選手権(天皇杯)でも2月のスーパーカップでも優勝しました。立役者の一人が昨夏、ドイツから加入した酒井であったことは衆目の一致するところでしょう。
病床からのコメントもプロ意識の高い酒井らしい内容でした。
「プロフェッショナルという精神を掲げる仕事をしていることを自覚し、人数の多い場所に行かない、消毒や手洗いをする等、気をつかって生活していたのですが、本当に申し訳ございません」
コロナに負けるな酒井!果敢なプレーとともに、声をあげ、手を振りつつチームを鼓舞する酒井。あの勇姿を私は一日も早く観たい。