2017年12月3日日曜日

北海道の「年取り」

  故郷、北海道の苫小牧では、大みそかの晩の食事に手をかけたごちそうを食べます。「年取りの膳」といって、家族そろって健康に過ごせたことに感謝し、元日に年をとることを祝うのです。
 食卓には、茶碗蒸し、うま煮、焼いたシャケ(あきあじ)、醤油漬けのいくら、ニシン・ホッケの飯寿司、ニシン漬けなどが並びます。加えて、前浜で採れる北寄貝の刺身やフライは鮮度がよくて甘味もあり、好物でした。北寄貝を混ぜた炊き込みご飯も、よく母親にせがんでつくってもらい、おかわりしたものです。
 シャケは丸一本買って家でおろします。その名残りか、いまも年末になると、父親からシャケの姿切り身が送られてきます。いくらは、生筋子をぬるま湯で筋から卵をはずし、味醂と数滴の醤油で味付けします。母親の得意料理の一つでした。
 ニシン漬けは、ニシンにキャベツ、人参、生姜、干した大根を加え、麹・塩で漬けたもの。氷点下の小屋に置いているため、半分凍り、シャリシャリした食感がたまらなくおいしいのです。何本もの大根を洗って木につるす作業を、家族総出で行ったことも懐かしい思い出です。