昨日(18日)、国会前に着いたのは日没前の夕方5時過ぎでした。桜田門側から国会正門前へ。歩道の右側には各種団体の旗が林立しています。正門前少し左手前の木陰にスペースを見つけ、足を止めました。
自宅を出る直前、安倍晋三首相に対する問責決議案が否決され、安保法案が採決・成立する見込みとのニュースが流れていました。でも負けないと、国会前へ地域の知人と出かけたのです。
鉄柵を間に
歩道と車道とは警察の鉄柵でさえぎられていました。鉄柵のすぐ後には警察官が横一列に配置されています。さらに車道の中央部側にも鉄柵と警官が並び、その後に蒲鉾型の装甲車が隙間なく置かれています。仮に中央の車道にたどり着こうとすると、5重の“壁”を乗り越えなければなりません。
「柵にさわるな」。身体を楽にしようと鉄柵に寄りかかる70代の男性に、警官が威圧を加えました。「柵を乗り越えようなんて考えていませんよ」。毅然と告げる男性。背中を押す警官。しかし男性は動じません。他の参加者も鉄柵を間に若い警官に、「仕事とはいえ、大変だね」と話しかけています。
解放された車道
6時30分、集会が始まりました。続々と詰めかける参加者。埋まる歩道。参加者を車道に出さないようにと、警官は歩道側の鉄柵を中腰で支え続けています。
すると、歩道横の車道の後方から、参加者が次々にやってくるではありませんか。歩道側の私たちに手を振っています。警官は歩道側の鉄柵を支える必要がなくなったのです。間もなくして退去していきました。
そのご歩道側の参加者は鉄柵を乗り越え、車道に出ました。木に隠れていた国会が正面によく見えます。広がる解放感。「主権者は私たち国民だ」と改めて思います。そして瞬く間に車道は装甲車近くまで、参加者でぎっしり埋まりました。
車道の一部開放は、押し寄せる参加者の波を前に、警備側が不測の事態を避けるためにとらざるをえなかった策かもしれません。同時に歩道側に鉄柵と警官を配置したことは、参加者の昨日の規模が想定外であったことをも示しているのではないでしょうか。
「憲法違反の安保法案。廃止まで闘う」。こう決意する国民は、安倍政権の思惑を超えて確実に広がっています。(写真=国会正門前、中央の白い建物が国会議事堂。9月18日午後7時34分)