みんな「安保法案反対」の同志
夕刻、急ぎ足で電車に乗車。国会議事堂前のエスカレーターでは前の人の白いTシャツの背中に、「この国の宝は憲法9条です」。青い字体が鮮やかでした。
国会の正門前に向かうと、大勢の人が同じように向かって歩いています。赤ちゃんを抱っこした若い母親も、会社帰りとみられるサラリーマンやOL風の人も、大きなヘッドホンを付けた若者も。創価学会の3色旗(青・黄・赤)を掲げた男性もいます。みんな「安保法案反対」の同志です。
命は地球よりも重い
集会が始まりました。政党代表の力強い挨拶が続きます。各界の発言ではノーベル賞作家の大江健三郎さんも登場。「最近の集会は若い人の顔が見られます。ここには民主主義の力があります」「憲法の精神に立ち戻るしかない。それしかない」。憲法に立脚する政治をとの切々たる訴えに、大きな拍手が湧き起こりました。
3児の母親と自己紹介した西郷南海子さん(安保関連法案に反対するママの会)の挨拶も印象に残りました。「だれの子どもも、ころさせない」との合い言葉にふれて、「人の命は作り直すことはできない」「人間一人ひとりはかけがえのない命を持っている」。人間の命は地球よりも重いとの言葉を改めて思い起こしました。
新しい政治をめざす
挨拶の合いまに、コーラーが叫びます。「戦争法案絶対反対」「9条壊すな」「安倍やめろ」。テンポよく繰り返され、たたかいの気分は否応なく高揚します。
70年安保や沖縄返還のたたかいも、リズム感のあるシュプレヒコールや道いっぱいに手を結んで広がるフランスデモ等で盛り上がりました。平和と民主主義の運動、そして新しい政治をめざすたたかいは個々の場面では紆余曲折があっても、歴史的には確実に継承、発展していると改めて思います。
激励の声が届くように
帰途、国会前の歩道からは銀杏の匂いが漂います。いつの間にか秋がやってきています。地下鉄の入り口のそばで、初老の女性が一人ひとりに届くように激励の声を発していました。「お疲れさまでした。いよいよがんばりどきです」 (写真=国会正門前、9月14日午後6時44分)