「沙羅双樹(しゃらそうじゅ)の花の色、盛者必衰(じょうしゃひっすい)の理(ことわり)をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜(よ)の夢のごとし」
沙羅双樹の花のすがたは、勢いのある盛んな者もいつかは衰えるという道理を示している。おごり高ぶる人も長くは続かず、ただ春の夜の夢のように、はかない。子どもたちにはこう教えることになっています。
安倍内閣の支持率急落の報(「毎日」19日付35%、共同通信19日付37・7%、「朝日」20付37%)に接し、同文は安倍内閣にそのまま当てはまると思いました。
民意に背を向け、行き詰まる
安倍内閣のおごりを国民の多くは常々感じてきました。
福島原発の汚染水が大量に流失していても、「コントロールされている」と言い切る。
米軍普天間基地の移設問題を巡り、移設反対派が各種選挙で勝っても一向に譲らない。
安保法案で自身が国会に呼んだ学者が、意にそぐわないことを言うと、「学者は無責任だ」と、その責めを学者に負わす。
支持率を気にしてか、新国立競技場の計画見直しに重い腰を上げたものの、わずか一週間前は首相自身、国会で「間に合わない」と否定する。
民意に背を向けることが同内閣では常態化しています。国民主権など眼中にないといっても過言ではないでしょう。そのおごりと、日本の進歩的な未来を願う国民との矛盾は激化し、行き詰まりを深めているのです。おごれる「アベ政治」を許さないと、全体重をかけて立ち上がる若者や市民が ほうはいと広がっています。
国民が納得しない安保法案の衆院での強引な採決を、「アベ政治」終えんの本格的な始まりにと思います。