いま国会前では安保法案に反対する学生が大勢集結するとともに、駆けつけた学者による“野外講義”ともいえるスピーチが行われています。この姿に触発された憲法学者や若い母親、地方の若者らも、「憲法守れ」と新たな行動を起こしています。学生と学者との連携、すなわち「学学(ガクガク)共闘」の進展は、“若者が動くとき、世の中も動く”ことを痛感します。
年代を超えて切望
評論家で「9条の会」の加藤周一さんは生前、老人と学生の結託・共闘を呼びかけていました。戦争放棄・戦力不保持の憲法9条の精神を国民各層に広げ、根付かせたいとの加藤さんの“執念”の表現であったと思います。
アニメーション映画監督の高畑勲さんは2014年10月25日、特定秘密保護法に反対する学生の渋谷デモに夫婦で参加。加藤さんの呼びかけに呼応したことを明かしつつ、「若者の実行力に感心。ひろがりの可能性を感じ、うれしかった。民意を反映しない政権にNO!を」と、その手応えを記しています。
安保法案反対の「学学共闘」の成立には、平和や民主主義を担う民主的な政権をという老若男女の切望がありました。
大きな希望
学生は真理の探究を本分としています。学者には専門的な知見があります。筆者も学生時代、ベトナム戦争や沖縄返還の問題をゼミで討論したさい、担当教授のアドバイス的意見に鼓舞されたことを覚えています。
「学学共闘」が「ビッグ・スウェル」(うねり)になるならば、安倍政権を一段と追い詰め、民主的な日本をきり開く推進力の一つになることは疑いありません。大きな希望が湧いてきます。