2018年7月30日月曜日

ネット+本+実体験

  近隣の図書館でのこと。小学校高学年の女子児童2人が手書きの新聞づくりで、自分のスマホを見てはテーマの太平洋戦争に関わる情報を書き写していました。知の宝庫にやって来ても、終始、本を参考にすることはありませんでした。
  知人にこの話を紹介すると、同家の高校生も調べものはスマホ頼みで、関係する本に当たって調べることは皆無に近いといいます。

 確かにスマホからは簡単に情報を手に入れることができます。同時に、子どもたちにはさまざまな本の中から知りたいことを探し出す体験もさせたいものです。発見したときの喜びは探究する力を伸ばすことになります。

 探究する力では、この夏、フィールドワークを実施したある私立中学の報告に接する機会がありました。離島で中学生が合宿し、島の歴史や地理を学び、土地の人とも交流するという取り組みです。島を離れるときは宿舎の主らが港に見送りにやってきて、生徒らはその姿が見えなくなるまで手を振りました。
 生徒の感想文には、「ネットで調べるだけではわからない地域の良さや課題も見えてきた」「島の人に触れて人の優しさをすごく感じた」と記されました。
 実体験の意義を痛感します。できることなら、すべての子どもたちにこうした実体験の機会をと思います。

2018年7月22日日曜日

平和かみしめサッカー観戦

  陽が落ちても熱がむせかえるスタジアム。大きな旗が振られ、コールが何度も叫ばれるゴール裏のサポーター席(写真)。
 全日本サッカー選手権大会(天皇杯)を観戦しました。98回目の大会といいますから、戦前から行われていたことになります。
  ハーフタイム時、サポーターのリーダーらしき若者がゴール裏から少し離れた当方らの席にやってきました。
 「みなさーん、天皇杯って一発勝負で、なにが起こるかわからないんです。ぜひ大きな声での応援をお願いします。勝って帰りたいんでね。よろしくお願いします」
 なんの損得もなく、世代や思想も違う者同士がいっしょに好きなチームを応援する。連帯感も湧き、平和っていいなあ、と改めて思いました。

2018年7月18日水曜日

ヤマユリの甘い香りに

  公園内の気温計は33度。汗を拭きつつ歩いていると、草地に一本だけ白い花が咲いていました。
 10㌢ほどの大きな花は強い日ざしを浴びながらくっきりと反転。ヤマユリだとすると、神奈川県の県花です。花言葉は容姿淡麗。あでやかで、甘い香りに、一瞬、暑さを忘れるようでした。

2018年6月30日土曜日

ビッグバンドとともに

  近隣のアマチュアビッグバンドによる「ジャズの楽しみ方」。開演30分前には会場の公民館が220人の参加者でいっぱいに。ほとんどが高齢者です。主催は生涯学習ボランティア研究会。
 当日の演奏曲は、プレスリー「この胸のときめきを」、映画音楽「ロシアより愛を込めて」、クラシック「ラバースコンチェルト」など。ときには重厚さを、ときには涼やかさを生み出すサウンドに、満場が一体化します。じっと聴いていると、重なる音、補う音も分かります。
 開放感にしたるなかで、生き方を考えるのもいいものでした。

2018年6月29日金曜日

前川喜平さんと夜間中学

 神奈川県厚木市の夜間中学「えんぴつの会」(岩井富喜子代表)の教室は、古くからの商店街の一角にありました。ドアの横に一枚の紙が貼ってあるだけなので、最初は通り過ぎてしまいました。 
 同教室は生徒それぞれが数学や英語、国語などの教材を持ち寄り、スタッフから支援を受ける一対一方式で運営されています。前文科省事務次官の前川喜平さんもスタッフの一人です。

 前川さんは教室に着くなり、持参したパンとペットボトルのお茶を取り出しました。スタッフの控室はなく、教室の空いている席で食べ始めました。
  この日の氏の担当は、日本国憲法全文の冊子を用意した渡部フサ子さん(83)の学習(写真)。向き合いながら憲法の一条一条をゆっくり読み上げ、説明を続けます。説明用に使う紙は自分のカバンから取り出し、筆記具は百円ショップで売られているようなボールペンでした。
  憲法41条の「国会は、国権の最高機関」については、「なぜかというと、国会議員を主権者である国民が選んでいるからです」と詳述。国会議員は国庫から相当額の歳費を受けると記す49条については、歳費や立法事務費が議員一人に年間2000万円以上払われていると紹介しつつ、「企業・団体献金は禁止しないといけないですね。大企業が特定の政党に献金し、法人税を下げてもらうという大企業に有利な政治が起こるから」と付言しました。

 憲法の勉強は途中休憩をはさみ、1時間余続きました。「私にあわせて話をしてくれたので、わかりやすかった」と、前川さんに謝意を示した渡部さん。1945年8月1日の富山空襲で自宅が焼失し、小学校に満足に通うことができませんでした。その「学ぶ機会が欲しい」との渇望の声は、厚木での夜間中学開設のきっかけになりました。
 前川さんは、菅義偉官房長官から「地位に恋々としがみついていた」と、保身に走っていたかのように非難されたことがあります。学ぶ機会を十分得られなかった人を手弁当でサポートする人物が「地位に恋々としがみつく」?。眼前にあるのは、真夏日が続くなかも学ぶ意慾を持つ人びとのもとに足を運び、温かいまなざしを注ぐ姿です。
 加計学園問題で「総理のご意向」などと書かれた文書の存在を証言し、行政の公平性がゆがめられたことを示した前川さん。その勇気と見識は人間的な優しさと一体だと、改めて思いました。