2015年11月1日日曜日

磨かれたプレーと復興支援

キャプテンを外されても
 やったー。やはり頑張り続けるならば報われると思いました。
 サッカーのナビスコ杯決勝(10月31日)で鹿島アントラーズが優勝。キャプテンの小笠原満男選手が最優秀選手に選ばれました。
 36歳での受賞は、大会史上最年長の記録で、自身13年ぶり二度目です。日本代表から離れて久しい選手であるほか、今シーズンの前半はキャプテンを外され、途中交代という“苦難”もありました。よく腐らなかったなと思います。

両手両膝をついて
 小笠原選手のプレーの特徴や魅力とは。チームが積極的に行くところと抑えるときの緩急を自在につくり出すこと、体を張るとともにファウルにならない形で相手の攻撃を封じ込めること、前線へのパスが鋭く正確であること、劣勢であっても最後まであきらめないことなど、いくつもあります。
 「36歳は若くないけど、以前よりできることは多くなった」と自己を分析します。数々の経験を生かした、磨かれた技が繰り出されているのです。決勝戦でも相手の盲点を見抜いたコーナーキックは、最初の得点と怒涛の展開に結びつきました。
 
 意欲的な選手生活の源になっているのが、東日本大震災被災地の復興支援を粘り強く続けていることです。被災地に造成したサッカーグランドでは、子どもが参加する大会が開かれています。被災地の子どもを招待した試合で負け、両手両膝をついて謝ったこともあります。
 とことん力を尽くすプレーとチームへの献身、そして人間的な豊かさも。感動を覚え、刺激を受けないわけにはいきません。

2015年10月27日火曜日

キライだったけど

 放課後の学習支援教室に、6年女子のSさんが初めてやってきました。テストの結果を見た母親から教室に行くように言われたといいます。
 取り出したのは算数の宿題。テーマは「速さの表し方」です。
 「算数は好き?」と尋ねると、「キライ」
 宿題が終わったところで、事前に準備していた動物「キリン、シマウマ、ダチョウ、チータ」の速さくらべの表(写真)を見せました。下手ながら書いた動物のカットとともに、少し興味がわいた様子です。
 
どっちかなぁ
 「キリンとシマウマはどちらが速いと思う?」 
 「シマウマ」
 「どうして?」
 「走った時間が同じ40秒で、進んだ距離はシマウマのほうが長いから」
 「そうだね。次にシマウマとダチョウとではどっちが速い?」
 「ダチョウ」
 「どうして?」
 「進んだ距離が同じで、走った時間はダチョウのほうが短いから」
 「いいね。ダチョウとチータとでは?」
 「どっちかなぁ」
 
秒速の”発見”
 「何かを出すと、はっきり比べられるんだけど」
 「秒速?」
 「そうそう。授業で習ったよね。1秒間あたりに進む距離で表した秒速をそれぞれ出すと比べられる。やってみよう」
 ダチョウの秒速は、665÷25=26.6(㍍)
 チータの秒速は、217÷7=31(㍍)
 「比べると、どっちが速い?」
 「チータだ」
 「うん。何㍍速い?」
 「約4㍍」
 「そうだね。じゃ、キリンとシマウマの秒速は?」
 キリンは、620÷40=15.5(㍍)
 シマウマは、665÷40=16.625(㍍)
 「4つの動物を速い順番に並べると?」
 「チータ、ダチョウ、シマウマ、キリン」

「こんど教室は」
 「いいね。じゃ、おまけに聞くよ。チータと人間とはどっちが速いと思う?」
 「それはチータだと思う」
 「本当かな。人間の速さを出さなくちゃ。オリンピックの100㍍競争で走る時間が10秒だとすると、その秒速は?」
 「100㍍÷10秒で、答えは10㍍かな」
 「そうだね。チータは人間より何倍速い?」
 「約3倍」
 「できた、できた。きょうのような勉強なら、算数に興味が持てそう?」
 「うん。こんど教室はいつですか」
 Sさんの表情が柔らかでした。(参考・遠山啓著「算数の探検 第四巻)

2015年10月25日日曜日

ラッカセイ効果

 近所の知人からラッカセイ(落花生)をいただきました(写真)。収穫したての旬の味です。「この地域でも採れるんだ」と思いながら口に運ぶと、風味が良く、甘みが広がりました。
 落花生の名前は、花が受粉して地面に落ち、地中で実を付けることから付けられたといいます。
 注目したいのは、栄養価が高いこと。多く含まれる「レシチン」という成分は脳の神経細胞の働きを活性化させるといわれています(「食べもの通信」11月号)。
 そのおかげか、昨日のカレーライスづくりは手際よく進み、「美味しい」との評価を得ました。

2015年10月23日金曜日

隣り合わせの海老名と座間の図書館 選書に大きな違い

市民の要望に沿う選書 座間 
 日が沈むのが早くなった秋の夕刻。神奈川県座間市立図書館の明かりが柔らかく輝いています(写真)。玄関を入ると、正面受付のカウンターで男性の職員が「こんばんは」と迎えてくれました。
 用件はリクエストしていた本の受け取り。同舘では新着図書の半年分を公式サイトで検索できます。それを見て未購入の新刊本をリクエストすると、「最初の読者」になるケースも。選書の方針に、「利用者のリクエストを優先」が貫かれているからです。
 今回も手にしたのは安保法制関係の新刊本でした。まっさらのページをめくるとき、「読みたい」との動機が適えられたことの充足感や、“知の発見”の喜びを覚えます。
 少し時間があったので雑誌コーナーへ。週刊誌、文芸誌、旅行雑誌、女性誌、スポーツ誌など定期的に発行される200冊余が並び、多くの市民が利用しています。今回、手に取ったのは、政治や経済などの動向を描く総合情報誌。書店では販売されていない、自宅郵送制の少し高額な雑誌であるため、図書館で閲覧できることは経済的にも助かります。

偏る選書 海老名
 一方、吹き抜けがあり、ジャズも流れる神奈川県海老名市立図書館。レンタルのツタヤが運営し、最近、不適切な本の購入でも話題になりました。筆者も公式サイトで新着図書の最近二カ月分を検索しました。
 驚きました。同館のジャンルで旅行78冊、料理79冊に対して、法律が4冊であったほか、政治・国際1冊、社会1冊、教育1冊にとどまっていたからです。国政の焦点、安保法制の関連本はこの間相次いで発行されていますが、前述の分類では一冊も購入されていないのです。選書に“偏り”や“不均衡”があることは否めない事実でしょう。
 加えて雑誌コーナーに並ぶ冊子は、旧市立図書館の168冊から4分の1の約40冊に激減。「雑誌は館内のツタヤ書店の雑誌を利用できる」(海老名市教委の担当者)と説明されていますが、同書店に並ぶ雑誌は限られているため、読むことのできなくなった雑誌がいくつもあります。
 
地域の文化力や教育力に影響
 図書館の大事な役割の一つに、国民の基本的人権の一つである「知る自由」の保障があります(日本図書館協会「図書館の自由に関する宣言」)。同権利の保障が図書館により差があるとなれば、地域の文化力や教育力に抜き差しならぬ影響を与えるというものです。
 海老名と座間は人口がほぼ同規模で、隣り合わせのまち。海老名市立図書館の選書をはじめとするあり方について、その検証が改めて求められています。

2015年10月13日火曜日

海老名「ツタヤ」問題で市民が市教委と交渉  避難訓練は緊急課題 

 神奈川県海老名市立図書館の運営について「海老名市政を考える会(笹川忠夫会長)は13日、市教育委員会と話し合いを行いました。
 同図書館は2014年度から5年間、レンタルのツタヤを展開する会社と組んで運営。海老名市からツタヤに指定管理料として約16億円が支払われます。しかし、改装オープン後、蔵書の不適切な購入に加えて、さまざまな不安や批判が市民から出されています。
 この日も、4階の幼児・児童向けフロアについて、避難訓練がまだ実施されていないことが参加者から明らかにされました。市とツタヤ側が交わした「業務仕様書」では避難訓練の実施が規定されており、「首都直下型地震や東海地震はいつ起きても不思議でない。大惨事を招かないためにも避難訓練は至急行われるべきだ」との訴えがありました。
 海老名「ツタヤ」図書館では、定期的に購入する雑誌が大幅に減るという問題も起きています。旧図書館では購入雑誌が158冊を数えていましたが、「ツタヤ」化後、文芸・健康・教育・スポーツなどの雑誌が軒並みカット。購入雑誌は以前の4分の1、約40冊まで後退しています。館内のツタヤ書店の雑誌(販売用)を見ることができるとの市教委の説明に、参加者は「それらの雑誌は借りることができない。図書館としてのバックナンバーもなくなる」と指摘。利用者が多い雑誌コーナーはサービスを拡充すべきだと訴えられました。
 また、図書館を利用することが困難な障害者等に対しては、ノーマライゼーション(障害のある人も、ない人と同様の生活ができるように支援する考え方)の一環として、図書宅配を無償実施することが「業務仕様書」で確認されています。ところが利用者に配布される海老名「ツタヤ」図書館の案内リーフには、無償との説明がいっさい記載されていません。リーフの改定を求める参加者に、市教委側は「ご意見を受け止める」と答えざるを得ませんでした。