いま、ウクライナ問題などを口実に、「日本も外国から攻められたらどうするのか」との議論が繰り返されています。
この憲法9条の世界史的な意義は、憲法が施行された当時、読売新聞も社説(1947年5月3日付)で、「一切の武力行使は、たとえそれが自衛ためであってもこれを行わぬことを世界に誓った…それは積極的な世界政治思想への先駆なのである」と指摘していました。
こうした軍事を否定する9条の立場は、おのずから日本が他国から攻められることのない外交に、徹底して努力することを要求しています。つまり、9条を全面的に実践するかぎり、日本は他国を攻撃する意図のない国として位置づけられ、仮に攻撃を構えるような国があれば国際的に厳しく糾弾・包囲されることは間違いないでしょう。
戦後の出発点を想起し、9条を生かす政治の実現こそ、いま真剣に求められています。
にもかからず岸田文雄政権は空前の大軍拡をすすめ、緊張をあおるばかりか、9条自体の改憲にも固執している。愚かな政治の極致という他ありません。