2023年1月22日日曜日

担保されぬ安全性

    


  
 海老名市長 内野 優様

      質問・要望書 国史跡隣接地の高層マンション計画について  
                                                                               2023年1月12日  市民有志

 国指定史跡「相模国分寺史跡」隣接地の高層マンション計画について、私たちは懸念を深めています。つきましては、この間のご尽力に敬意を表しつつ、質問・要望いたします。                                     

1、次回説明会に市の出席を

事業者による説明会はこれまで3回開かれました。市がいずれも欠席するなか、事業者は高層マンション
計画を押し通しました。結果、説明会は参加者の了解をまったく得られないまま終えています。

市まちづくり条例は、まちづくりを市と市民、事業者の相互理解のもと進めることをうたっています。事業者の任意といわれる次の説明会には市も出席されることを望みます。

くわえて、これまでの説明会は案内の対象が事業区域から50㍍の市民に限定されていることから、史跡のすぐ横に住む市民さえ外されています。

次の説明会は参加希望の市民も対象とし、市ホームぺージなどで案内されるべきではないでしょうか。

2、市は事業者に「市民との合意形成を」の働きかけを

国分寺史跡は国史跡であり、市も「歴史的景観資源」(景観条例)と定めています。史跡の広場は開放的な空間が広がり、関東百名山の大山を望めるほか、多くの市民に親しまれる憩いの場です。海老名市民の宝といっても過言ではないでしょう。

史跡横に計画される今回の高層マンションは、市長も「圧迫感がある」「(市民の景観への懸念を)理解できる」とのべている通り、史跡の貴重な景観を損ねることが必至です。建設が強行されると、史跡周囲には続いて高層建物が建つことも懸念されます。

 市は事業者に、「市民との合意形成を」の働きかけを積極的に行う必要があるのではないでしょうか。

 3、避難場所隣接地での建設に責任を持てますか

国分寺史跡広場は火災などから市民を守る、市内19個所にある広域避難場所の一つです。収容人数は市によれば7900名と設定されています。広域避難場所の隣接地に高さ43㍍の高層マンションが建設されるのは、市内初のケースです。

東日本大地震のさい、東京などでも高層建物の窓ガラスや外壁が落下・散乱したことは、記憶に新しいところです。また、内閣府の「指定緊急避難場所の手引き」(2017年)は避難場所について、周辺に人の生命や身体に危険を及ぼすおそれのある建築物がないことと指摘しています。

にもかかわらず今回は地震時の火災にともなう大風の発生とそのシミュレーションについて、事業者が「対応しかねる」(住民の意見書への回答)とのべているように、その安全性が担保されていません。

市は、広域避難場所の隣接地での高層マンション建設に、本当に責任を持てるのでしょうか。

以上、3点について、回答を1月末までによろしくお願いいたします。