地域の九条の会で初参加のTさん(78)が朗読を披露されました。作品のひとつは、詩人・茨木のり子(1926-2006)の代表作「わたしが一番きれいだったとき」でした。
「わたしが一番きれいだったとき 街々はがらがら崩れていって とんでもないところから青空なんかが見えたりした わたしが一番きれいだったとき まわりの人達が沢山死んだ…」
あの戦争中、若者らしいことができなかったことを、作者が非戦の思いを込めて歌った作品です。Tさんの読み上げる声は、引き締まり、力強さに満ちていました。作品への共鳴があったからでしょうか。
Tさんから手紙が送られてきました。
「コロナ禍のなかで、詩を大きな声で読むということは、ずうっとなかったことです。帰路は、気持ちが軽くなっていました。“声に張りがありましたね”とのひとことをいただいたことも、励みになりました。老いていくばかりの日々、その言葉はとてもうれしかったです」