神奈川県の海老名市役所の1階ホールで8月1日から15日まで、「戦争を語り継ぐパネル展」が開かれました。市と市遺族会が主催し、2275人が見学しました。
会場では、広島・長崎の原爆被災の悲惨さを示す絵画や写真を掲示。炭化した遺体、食べるものがなく雪を食べる原爆孤児の写真などもありました。
空襲被災地図は神奈川の死者数が全国的にも多かったことを示し、召集令状(赤紙)や防毒マスクなどの戦時品も展示されました。
戦争展に立ち会っていた男性(79)は5歳のとき、父が激戦地フィリピンで戦死。34歳でした。現地に2回足を運びましたが、遺骨は見つかっていません。
男性の母親は中学校の用務員などに就いて生活を支えました。進学や就職時を振り返り、「父親がいたらこんなに苦労しなかったと思った。語りつくせない」と述懐しました。
展示物を見入っていた男子中学生は、「絵や写真を通して、戦争の怖さがよくわかった」と発言。
30代の女性は、「市役所にたまたま用事で来て、足を止めました。これまで戦争のことはよく分からなかったのですが、広島や長崎まで行かなくてもここで知ることができました。小学生の子どもも連れてきたいと思いました」と感想を語りました。