私の母親は若い頃、NTTの前身、日本電信電話公社の電話交換手でした。名前と住所から相手の電話番号を24時間案内する「104サービス」が主な仕事です。
あるとき、電話交換手に受け継がれるモットー「正確、迅速、感じよく」に触れて、“こぼれ話“を教えてくれました。
「夜になると、電話をかけてきて、番号の問い合わせというより、悩みや生き方について聞いて欲しいって、とつとつと話す人がいてね」。昭和の当時、番号案内は無料でした。「さびしかったんだろうね」
この3月末、1890年(明治23)以来136年続いてきた番号案内の業務が終了しました。時代の流れとは割り切れない、一抹の感慨が否めません。
故郷の実家に電話をかけると、受話器の向こうから聞こえた母親の声。年老いても柔らかく、優しい声でした。(写真は、母親とその孫。61歳のとき)
