2019年10月27日日曜日

ニッコリ


学習支援教室に向かう途中、顔見知りの保護者が話しかけてきました。
「支援室には算数のプリント問題などがありますか」
「ええありますよ」
「授業参観に行ったとき、担任の先生の説明を子どもが理解できているかどうか、不安になりました」

後日、その子ども(5年)が支援室にやってきました。少し緊張気味に、分母が違う分数のたし算の問題をやってみたいといいます。
プリント問題を渡すと、分母の公倍数を見つけて通分することがよく理解できていない様子です。最小公倍数で通分すると、分母がいちばん小さい分数になおせることや、最小公倍数の見つけ方等をアドバイス。真剣に耳を傾け、しばらくすると次々に解き始めました。分数の基礎的な知識は身に着けているようでした。

できているよ、これもできている、がんばったねと、赤ペンでマルをいくつもつけてあげました。プリントを持ち帰っていいかと聞くので、もちろんと答えると、ニッコリ笑い、「また来るね」と帰っていきました。

2019年10月8日火曜日

三度の飯より部活が好きだ―!


心地よい秋風が吹く一日、首都圏の私立中学・高校の文化祭を訪ねました。演奏中の吹奏楽部を見て、少し驚きました。生徒の数がわずか12名だったからです。

部の紹介パンフによれば、過去には部員数が60名近い時代もあったものの、近年は減少し、昨年度はついに1名と、“絶滅危惧状態”に。でも、ことし、高校が共学化したことで、高校生9名、中学生3名で再スタート。文化祭に向けて練習を重ねてきたといいます。

その日も、一人二役で違う楽器を演奏しても、すべてのパート(楽器)によるフル編成にはならないため、音のバランスをとることが難しそうでした。
それでも、「吹奏楽部の復活を」との情熱は、12名の何倍も詰めかけた聴衆に届いているようでした。演奏曲が終わるたびに惜しみない拍手が送られたからです。

紹介パンフの文が印象的でした。
「廃部の危機を乗り越えてくれた1名の部員に、『ありがとう』の言葉を送ります」(顧問教員)
「この日を迎え、胸がいっぱいです。三度の飯より部活が好きだ―!」(吹奏楽部部長)
生徒に温かい眼差しを注ぐ教員と、全力で演奏する生徒たち。すがすがしさを覚えました。